百二十日目のステータス
今日は120日目です。
ブクマありがとうございます。
今日の天候は晴天。
そろそろ王都に行こう。流石にダラダラし過ぎた気がする。御礼を言いに行くっていったって
「え?いつの話?」
なんて言われてしまってはかなわない。相手が覚えているうちにしっかり御礼を伝えねばならない。
【アイシア、王都に行って早く御礼に行こう。】
「分かったよ、馬車の中でボンちゃんのことをリーンに伝えておく?」
【そうだな、そうしよう。伝えるのは分かったが、リーンに俺を使わせるのか?】
「うん、そのつもりだよ。ボンちゃんに危険が及ばない範囲なら、私が独占しちゃダメだと思うの。だからそうするつもり。」
【余計な気を使い過ぎないようにな。でも、分かった。しっかりサポートするとしよう。】
そもそもリーンが俺を受け入れるか分からないが、その時はその時だ。
その時は意外と早くやってきた。
馬車を走らせているとアイシアが話し始めたのだ。
「ボンちゃん、この杖のことをリーンはどう思う?」
「とっても綺麗な色で素敵な杖だなって思います!」
「ありがとう、私もそう思うわ。でも、それだけじゃないの。」
「性能も良さそうですよね!師匠にぴったりの杖だと思います。」
「あー、そうじゃなくてね、ボンちゃんは実は意志を持って動き回れる杖なの。というか魔族なの。」
リーンは口を開けてぽかんとした表情をした後、くすりと笑っていた。
「師匠も冗談言うんですね、意外です。」
「埒があかないわね。ボンちゃん、後は任せたわ。」
【分かった。あー、あー、聞こえるか?】
「え?え?え?」
【見た目も変えた方が分かりやすいか。】
まだ理解が追いついていない様子のリーンに、俺は【形態変化】を使って人型を取った。
ミスリルを含んだおかげか、以前よりももっと人間らしい造形になれた。代わりに配色具合は人から遠ざかってしまった。
「これで分かってくれたか?俺がアイシアの相棒のボンちゃんだ。」
【形態変化】で模した声帯から声を出した。手先を杖の形にしたり手に戻したりして遊ばせて、杖の自分を主張する。
「え?えええええ!!!」
リーンは頬を引っ張っては戻してを繰り返している。また、目をこすってはこちらを見つめる。それを何度か繰り返してからやっと諦めたようで、こちらを見つめなおした。
夢じゃないと認めたようで俺についての説明をした。もう既に死んでいること、魔族になったこと、アイシアに拾われたこと、最近自分の体に再会して魔神を吸収したことを伝えた。
最後の一つだけ理解してもらえなかったが、事実なので仕方ない。
「こんな俺だが、仲間として受け入れてくれるか?」
「悪い魔族じゃないんですよね?」
「そのつもりだ。」
「それなら、受け入れるも何も元から仲間ですよ。男の人だったっていうのはちょっとだけ抵抗ありますけど……」
やはり良い子である。ただなんでこんな大腿骨に赤面しているのだと疑問に思ったが、今は【形態変化】で人っぽくなっていたことを思い出した。
「リーン、ボンちゃんをずっと抱き締めて寝てた時期があったけど特に何もされなかったから大丈夫よ。ボンちゃんは男じゃなくてボンちゃんだと思った方が楽よ。」
「それはなんかえっちぃです。ダメですよ、ボンちゃんさん。」
「いや、その時は動けなかったから仕方ないだろ……」
「それでもダメです!」
「えぇ……そんな無茶苦茶な。」
リーンの小言はその後も続いた。まさかリーンにそんな属性があるとは思っていなかったので驚きだ。
その後もずっとそんなやりとりを続けて一日が終わっていく。馬車の外で見回りがてらに【技能貯蓄】に【念力】を貯めながら夜が更けていく。
俺は【ステータス】を確認した。
ステータス
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名前:ボンちゃん
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種族:ミスリル杖、低位魔神【異邦人】
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性別:男
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年齢:16
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状態:強欲の眷属、筋肉魔神、
精霊鍛治師に鍛えられし杖、憤怒の眷属
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体力:0/0
魔力:3150/3150
筋力:100,000
知力:10
視力:10
聴力:10
運気:10
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恩恵:【ステータス】、【精霊の祝福】
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技能:【不死】、【魔力供給】、
【魔力自然回復<極>】、【念力】、
【怒りの一撃】、【威力増幅<極>】、
【並行射撃<Ⅴ>】、【対魔】、
【硬化】、【念話】、
【筋肉魔神】、【限界突破】、
【気絶耐性<特>】、【欲求変換】、
【疲労無効】、【形態変化】、
【魔力二倍】、【技能貯蔵】
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お立ち寄りくださりありがとうございました。
リーンの扱いが分からない。