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百十八日目のステータス

今日は118日目です。

0時に遅れてしまいすみません。ブクマ、感想を頂きありがとうございます。

 今日の天候は晴天。


「そういえば、もう筋トレはしないの?」


 起床して開口一番がこれだった。俺をなんだと思っているのだろうか。

 ……筋肉魔神だったわ。


【もうこれ以上しても数値的には意味がないからな。でもそうだな、日々の鍛錬の為にもまたやるとするよ。】


「……余計な事を言ってしまった。」


 アイシアは藪蛇だったかと後悔している様子だ。後悔されるほどやばい事をしていただろうか。

 支度を整えリーンと合流すると朝飯を出店で済ますからと何も食べずに宿を出た。


「リーンちゃんは力には自信がある?」


【おっ?なんだ、呼んだか?】


 出店の多い通りまで歩きながらアイシアがリーンに話しかけた。ついつい反応してしまったのだが、アイシアには無視されてしまった。眉間に寄った皺を返答としておこう。


「見習い魔法使いですけど、孤児院の手伝いを頑張ってたので少しは自信あります!荷物持ちですか師匠!」


「そ、そうだけど、なんで急に師匠呼び?」


「今までは本当に弟子になれるのかなってちょっとだけ疑っちゃってたんです、ごめんなさい。でも、冒険者ギルドで師匠になるって宣言してくれて、それで、私もう嬉しくって!嬉しくって!だから師匠ってちゃんと呼ばなきゃって思ったんです!師匠!」


 熱い。熱い弟子の語りに師匠の顔も熱そうだ。

 本当に良い子で弟子に取って良かった。苦労続きのアイシアの良い癒しになってくれそうだ。


「あーもう、分かりました。それではリーンちゃんに師匠からの最初の命令です、出店で買い込むので一緒に持ってください!」


「はい!分かりました!」


 ちょうど出店の多い通りに着いたようだ。

 出店で普段使われる硬貨より1グレード高い硬貨を渡して5個から10個くらいの食べ物を4種類ほど買い込んでいた。気前よく払ってくれる綺麗な客に出店のおじちゃんもおまけをしてくれたり綺麗で大きな葉に包んで紐で縛ってくれたりと良いこと尽くめだ。

 二人で両手に1つずつ持っていて、孤児院の手伝いは伊達じゃないようでリーンは軽々と持っていた。むしろアイシアが見栄を張って大きめのやつを持ったので大変そうにしている。


「それにしても師匠って実は大食いだったんですね、それなのにそんなに細身なんて素敵です!」


「なんでそうなるのよ……孤児院へのお土産に決まってるじゃない……」


「え、そうだったんですか!ごめんなさい!ごめんなさい!」


 リーンは大慌てで頭を何度も下げた。あんまり必死にするものだから周りの視線が痛い。アイシアもなんとかリーンを宥めようとしていた。


「もういいから、気にしてないよ。」


「うぅ、すみません。孤児院の皆すごく喜ぶと思います、ありがとうございます。」


「それもそんなに気にしないで。手ぶらで行くのが嫌だっただけ。お金の寄付だけしても良かったけど、それはなんか嫌だったの。」


 どちらにせよ寄付はするつもりなんだな、と温かい目で暫く見守っているとどうやら孤児院に着いたようだ。

 孤児院は古びていたが綺麗に掃除されていて清潔さを感じさせた。


「リーン!もう帰ってきちゃったの?仕方ないわねぇ。」


「違うよシスター!今日は連れてきたい人がいたの!」


「あらあら、綺麗な人。今日はこんなところにお越しくださりありがとうございます。素敵な杖さんもこんにちは。」


 修道服姿の妙齢の美女がこちらを見てにこりと笑った。

 どきりとした。

 彼女は俺のことが分かるのだろうか、それともただそういう言い回しになっただけだろうか。


「こんにちは。アイシアといいます。今日は突然訪ねてしまってごめんなさい、リーンさんを私の弟子にする事になったので報告に来ました。」


 それ以上深入りされないようにアイシアがまだ何か言おうとしていたシスターより先に言葉を発して妨げてくれた。

 シスターもそれに機嫌を悪くすることはなく、むしろ華のような笑顔を溢れさせて喜んだ。


「まあまあ、それはとっても素敵ね。でもアイシアちゃんみたいに若いのに弟子を持つなんて、結構優秀な冒険者さんなの?」


「師匠はなんとA級冒険者さんなのです!どうですか!すごいでしょう!」


 むふん、と手を腰に当てて胸を張って自分のことのように自慢するリーンちゃんの姿が微笑ましい。


「まぁ!それは本当ですか?」


「本当です。どういう巡り合わせかA級冒険者です。だからリーンちゃんに大きな怪我はさせませんので安心してくださいね。」


「リーンを宜しくお願い致します。とても良い子なんです。きっとそれが報われたのかと思うと胸が熱くなります。」


「ふふっ、分かります。とっても良い子ですよね。」


「はい、そうなんですよ、上がっていってください。リーンの昔話や可愛いエピソードを話したいです。」


「それは楽しみです。これ、出店でお土産に買ってきたので良かったら皆で食べませんか?」


 シスターは出店の料理を喜んでくれ、中へと連れていってくれた。子供たちを呼び寄せて皆で食べた料理はとても美味しく感じられた事だろう。


 終始恥ずかしがるリーンをよそに、シスターがリーンのことを楽しそうに話してアイシアはそれをにこにこと聞いていた。子供たちは久々に帰ってきたリーンお姉ちゃんと遊ぶのだとリーンを連れてどこかへ行ってしまった。

 暫く話した後、寄付だといって今回の出店の食事が100回は買えるような金をシスターに渡していた。シスターは受け取りを断ろうとしていたが、リーンみたいな良い子を育ててくれた孤児院への感謝の気持ちだから受け取って欲しいと言うとなんとか受け取ってくれた。


 夕方まで孤児院でお世話になって晩御飯を呼ばれてから宿へと帰った。久々の孤児院にリーンはとても満足げで、アイシアもリーンの話や孤児院の雰囲気に満足したようだった。


 俺は【ステータス】を確認した。


ステータス

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名前:ボンちゃん

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種族:ミスリル杖、低位魔神【異邦人】

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性別:男

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年齢:16

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状態:強欲の眷属、筋肉魔神、

精霊鍛治師に鍛えられし杖、憤怒の眷属

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体力:0/0

魔力:3150/3150

筋力:100,000

知力:10

視力:10

聴力:10

運気:10

---------------

恩恵:【ステータス】、【精霊の祝福】

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技能:【不死】、【魔力供給】、

【魔力自然回復<極>】、【念力】、

【怒りの一撃】、【威力増幅<極>】、

【並行射撃<Ⅴ>】、【対魔】、

【硬化】、【念話】、

【筋肉魔神】、【限界突破】、

【気絶耐性<特>】、【欲求変換】、

【疲労無効】、【形態変化】、

【魔力二倍】、【技能貯蔵】

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名前:アイシア・ボーンヘッジ

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種族:人族

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性別:女

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年齢:17

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状態:健康、精霊との友好

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体力:10/10

魔力:172+3150/172

筋力:6

知力:50

視力:10

聴力:50

運気:50

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恩恵:【魔法技能】、【精霊の祝福】

---------------

技能:【火<大>】、【水<特>】、

【風<中>】、【土<小>】、

【精霊視】、【魔力消費減<特>】、

【精霊同調】

---------------

お読み頂きありがとうございました。


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