百十六日目のステータス
大変遅くなりました。今日の更新です。
今日の天候は晴天。
野営地点を早朝から出発した俺たちは太陽がすっかり真上まで来た頃に街へとたどり着いた。道中現れた魔物を倒してリーンや商人のおじさんにおだてられるアイシアの姿が微笑ましかった。
街にたどり着いた俺たちは護衛を放棄した冒険者について報告するために冒険者ギルドへ向かった。
中へ入ると受付嬢と話す男性グループを見てリーンが驚いていた。
「護衛を放棄しておいてのこのこ帰ってくるなんて、あいつらは馬鹿なの?アイシアさんここで待っていてください。アルバさんついてきてくれますか?」
「ああ、構わないとも。」
アイシアが頷き、商人のおじさんが快諾した。心なしかおじさんは楽しそうだ。
(商人のおじさん、あんたアルバさんって言うのか。)
商人のおじさんに名前があったことに驚きつつ、俺もリーンを見守ることにした。どうやら男性たちはリーンが色目を使って商人を誑かし、俺たちを囮にして逃げたと言っているようだ。まるで正反対の内容じゃないか。
リーンも商人のおじさんも反発するが、受付嬢はどちらの言い分を信用して良いのか分からなくなってしまって困惑していた。
「おいおい、俺らよりもこんな孤児院出のガキを信用するってのか?俺たちゃC級冒険者様だぜ?」
「依頼主の私の意見が尊重されるべきでしょう!あいつらは逃げ出したクズです!今すぐ処分してください!」
「ひとりの行商人より複数のC級冒険者を守った方が良いに決まってんだろ、冒険者はランクが全てなんだよ!」
強気な発言を繰り返す男たちに受付嬢やリーンたちが丸め込まれてしまいそうだったので、アイシアが助け舟に向かった。
「それなら私の意見が1番大事なのかな?どうなの、受付嬢さん?」
受付嬢にギルドカードを渡すと、受付嬢さんはギルドカードを二度見した後、ギルドの奥へ確認に走っていった。
残された男どもは突然現れたアイシアを気持ちの悪い視線で眺めながら口々に喋った。
「あ?なんだこの女?聞こえなかったのか?俺たちはC級冒険者なんだよ!お前が何級だか知らねえが、俺たちの方が偉いに決まってんだろ!」
「だが、なかなか良い女じゃねえか?そんなに構って欲しいなら構ってやろうか?」
「ひひひっ、そりゃ良い。俺たちで冒険者について熱く指導してやろうぜ。」
「お主らはとんだ阿呆じゃな。」
口汚い言葉に怒りがたまっていきていた時、ギルドの奥から口ひげを蓄えた白髪の老人がやってきた。彼はギルドマスターというやつだろうか?
男どもはこの老人を知っているらしく一様に驚き、萎縮した態度を見せる。
「彼女は今回の更新でA級になることが決定した超一流冒険者じゃよ。彼女の年齢では十年に一度、いやもしかすると百年に一度かもしれぬ偉業じゃ。」
「な!?嘘だろ!!」
「こんな弱そうな女がだと!?」
「彼女の実力は本物じゃよ。彼女からすればお主らはそこいらの村人と変わらぬ存在にしかならぬ。それに、これまでの実績によって貴族からの信頼も厚い。そんな彼女に対してギルドからの信頼度で、ましてや強さや階級で勝負できるとでも思うたか?」
にやりと笑う老人に、男どもは口ごもり黙ってしまう。けれど、その中の一人の男がこちらを睨みつけながら
「それなら俺らと決闘で白黒つけてみろよ!お前が本当に凄腕だって言うなら俺ら全員を相手にしても圧勝できるんだよなぁ!あぁ!どうなんだ!!」
と大声で挑発してきた。
【今すぐにでも相手してやったらどうだ?そうじゃないな、そろそろ限界だからこいつらを黙らせても良いか?】
「良いんじゃないかな、ご自由にどうぞ。私は何もしないから貴方の好きにすれば良いよ。」
俺への返事であり、相手への返事でもあった。男は激昂して飛びかかろうとしたが身体は指一本動かない。【念力】によって作り出した透明な力を身体の表面に這わせて【硬化】で固めたのだ。
【筋肉魔神】になってから【念力】と【硬化】を組み合わせることが出来るようになり、【念力】の扱いも自由になった。
「な、何がどうなってんだ?」
周りの男は突然動かなくなった男を見て恐怖に身を震わせて弱々しくアイシアを見た。周りの人も似たようなもので唯一ギルドマスターらしき老人だけが好奇心に満ちた目でこちらを見ていた。
「これで決まったのう。お主らの罰は後程伝えられるであろう。とりあえずギルドの地下牢に閉じ込めておくとしよう。」
老人がそう言い終わる前に、老人から細長い白い光が男どもを駆け巡ったかと思えば彼らは全員倒れていた。倒れた男どもはギルドの奥から現れた職員に引っ張られ運ばれていった。
その後、彼らの罰や依頼主への賠償金などで明日、またこのギルドを訪ねることとなった。
「初めてA級冒険者を見ました。A級だなんてすごいですね!」
「う、うん。知らないうちにA級になってたみたいで私も驚いてるよ。」
リーンの泊まっていた孤児院出の子がやっている宿屋に向かう途中、リーンがアイシアを尊敬の目で見つめ褒めちぎっていた。
それは宿に着いてからも続き、アイシアは少々居心地が悪そうだった。
俺は【ステータス】を確認した。
ステータス
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名前:ボンちゃん
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種族:ミスリル杖、低位魔神【異邦人】
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性別:男
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年齢:16
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状態:強欲の眷属、筋肉魔神、
精霊鍛治師に鍛えられし杖、憤怒の眷属
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体力:0/0
魔力:3150/3150
筋力:100,000
知力:10
視力:10
聴力:10
運気:10
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恩恵:【ステータス】、【精霊の祝福】
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技能:【不死】、【魔力供給】、
【魔力自然回復<極>】、【念力】、
【怒りの一撃】、【威力増幅<極>】、
【並行射撃<Ⅴ>】、【対魔】、
【硬化】、【念話】、
【筋肉魔神】、【限界突破】、
【気絶耐性<特>】、【欲求変換】、
【疲労無効】、【形態変化】、
【魔力二倍】、【技能貯蔵】
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名前:アイシア・ボーンヘッジ
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種族:人族
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性別:女
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年齢:17
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状態:健康、精霊との友好
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体力:10/10
魔力:172+3150/172
筋力:6
知力:50
視力:10
聴力:50
運気:50
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恩恵:【魔法技能】、【精霊の祝福】
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技能:【火<大>】、【水<特>】、
【風<中>】、【土<小>】、
【精霊視】、【魔力消費減<特>】、
【精霊同調】
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お読み頂きありがとうございました。
テンプレを書こうとしたけれど、力不足を感じました。