表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/294

1ニチメ

今日は115日目です。

「1ニチメ」と「115日目」の二話です。そんなに長くないです。


また、総合評価1500pt突破しました。ありがとうございます。

 私の前には沢山の魔物がいた。

 魔物はオーガと呼ばれる魔物で、単体でもC級冒険者パーティでの討伐を推奨される魔物だ。それが8頭もいた。

 護衛の臨時パーティとして集まったメンバーは皆逃げ出した。私と商人、それと馬車だけが残されてしまった。


 孤児院から独り立ちして初めての依頼で死ぬなんて、妹たちに合わせる顔がないわ。そう思うと、ただ諦めるなんて嫌で私はなけなしの魔力で魔法を発動した。けれど、それは集中力が全く足りておらずいつも以上に小さな球となってオーガのお腹でぱちりと弾けて消えた。


 オーガたちは怒るわけでもなく、ただニヤニヤと笑ってゆっくりと迫ってくる。


「ははっ、もうどうせ助からないんです。貴方も逃げてもらっても構いませんよ。」


「そんな事する訳ないじゃない!私は護衛を見捨てるようなクズには死んでもならないわ!」


 護衛の商人さんが虚ろな目でそんな事を言うが、そんな事をしたらそれこそ孤児院の皆に合わせる顔がない。私は立派な冒険者になると誓って孤児院を出たのだ。最初くらい、最後くらい、ちゃんと冒険者をするんだ。

 私はそう意気込んで魔法を打ち続けた。けど、それももう弾切れだ。


「こんな時じゃなければ素敵な出会いに感謝していましたよ。いつか商会を持とうと思っていたんです。」


「きっと出来るわよ。」


 肩で息をしていた。そんなのただの強がりだ。


「そうですね、その時は貴方の顧問商会になりますよ。」


「それは贅沢ね。」


 そんな未来はきっとやってこない。私はここで終わりなのだ。


 そう諦めかけた時、目の前のオーガたちが山に押し潰されるみたいに一気に潰れて真っ赤な池になった。

 魔力を感じた。振り返るとそこには芸術品のように鮮やかな杖を持った一人の綺麗な女性がいた。


 それが、私と彼女との出会いだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ