百五日目のステータス
今日は105日目です。
難産すぎて1分前投稿。内容は変えないけれど細かい修正するかもです。
今日の天候は晴天。
今日はアイシアに再会する日だ。離れてから3日しか経っていないというのに随分と長く感じたものだ。ユーフラテス家の屋敷までガルムさんに運んでもらっているが、こんな事をガルムさんに言うとどうせまたいじられるので黙って運ばれている。
屋敷に到着する頃には太陽はすっかり登りきっていた。屋敷は相変わらず慌ただしい様子だ。だが、どこか様子がおかしい気もする。皆が意気消沈した様子というか、まるでこれではこちらが英雄を失ったみたいだ。英雄を吹き飛ばしたのはこちらでもっと士気が高くないとおかしいはずだ。
「あっ……ガルムさん。」
屋敷の者がガルムさんに気付いた。その顔色は死人と見間違うほど青白かった。
「どうした?何があった?」
「そ、それが……それが……」
「なんじゃ、はっきりせんか。」
「それは私から述べさせて貰います。」
屋敷から女性が出てきてそう言った。それは包帯を巻いたイザベラさんだった。嫌な予感がした。
「今朝、屋敷に超遠距離魔法が放たれました。いえ、魔法だったかさえ定かではありません。とにかく前線より放たれたそれは帰還していたアイシア様とシャル様が対処されました。けれど、その際屋敷を守る為に真正面から受けたアイシア様が重症で意識が有りません。また、シャル様も現在は魔力切れで動けない様子です。」
【……ははっ、嘘だろ。】
「えっ……何?ガ、ガルム様ですか?」
「そうじゃな、儂ということにしといてくれ。ちょっと出掛けてくる。」
「お待ちください!お一人でどうにかなる問題ではありません!!」
「おい、ボン!【念力】で自分を弾き飛ばせるか?出来るなら今すぐ前線へ行くぞ。」
【あ?あぁ、出来ると思う。けど、前線へ行ってどうするんだ。】
頭が回らない。
怒りも悲しみも湧いてこない。
ただ、なんでこうなってしまったのかという虚無感だけを感じている。
「なんじゃ、復讐したいとは思わんのか?」
【アイシアが危ないんだろ?それなら少しでも顔を見ておきたい。】
「それこそ、前線へ行くべきであろう。また同じ目にアイシアを合わせたいのか?今度は確実に死ぬぞ?」
【……死ぬなんて、そんな事言うなよ。】
「何を怖がっておる?事実じゃ。」
俺は今怖がっているのか。
自分の感情さえ理解出来ない。でも、アイシアを失いたくない気持ちは確かだ。
【分かった。行くよ。】
俺は自分とガルムさんを【念力】で投げ飛ばして落下を始めたらまた投げ飛ばしてと繰り返して前線へ1分ほどで到着した。数キロ先だったのでおそるべき速さだ。
前線には血気盛んに戦う煌びやかな男たちがいた。きっと彼らが元凶なんだろう。
【念力】
そう念じると、彼らは首の骨が折れて死んだ。なんともあっさりとしている。筋力値900という値がそれだけ壊れているのだろう。ただそれだけだ。
【早く帰ろう。】
「あ、あぁ。」
俺は再び【念力】で投げ飛ばして帰った。この間数分の出来事だ。イザベラさんはガルムさんの倒して戻ってきたというセリフにひどく困惑していた。
ガルムさんにアイシアのいる病室前まで連れていって貰った。
ひどい状態だった。誰かを庇ったのか背中が焼け爛れている。それにアイシアの綺麗な髪が溶けて疎らなベリーショートになってしまっている。
「治るのか?」
「私どもの回復魔法では命を繋ぎ止めるのでやっとで回復は難しいです。聖女様レベルの使い手がいればなんとかといったところでしょうか。」
【聖女……レオンたちを探さなければ】
俺はそれを聞いて杖のまま飛び出した。【念力】で自分を飛ばして移動する。けれど、数キロ先の前線とは訳が違う。ドラゴンを使っても半日かかった王都へ戻ろうとしているのだ。【念力】でたどり着く頃には真夜中だった。レオンたち烈火の獅子は見つけられなかった。
俺は【ステータス】を確認した。
ステータス
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名前:ボンちゃん
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種族:ミスリル杖、高位魔族【異邦人】
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性別:男
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年齢:16
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状態:精神衰弱【中】、疲労【小】
強欲の眷属、筋肉の限界を超えし者、
精霊鍛治師に鍛えられし杖、憤怒の眷属
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体力:0/0
魔力:1000/3000
筋力:900
知力:10
視力:10
聴力:10
運気:10
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恩恵:【ステータス】、【精霊の祝福】
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技能:【不死】、【魔力供給】、
【魔力自然回復<極>】、【念力】、
【怒りの一撃】、【威力増幅<極>】、
【並行射撃<Ⅴ>】、【対魔】、
【硬化】、【念話】、
【筋力三倍】、【限界突破】、
【気絶耐性<特>】、【欲求変換】、
【疲労無効】、【形態変化】、
【魔力二倍】、【技能貯蔵】
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お読み頂きありがとうございました。
怪我はあまり酷くしたくなかったので出来ませんでした。