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百四日目のステータス

今日は104日目です。

ブクマ、評価、感想などありがとうございます。

 今日の天候は晴天。

 ステータスが驚きの伸びだった。流石、変態(てんさい)鍛治師と言わざるを得ない。【精霊の祝福】や【魔力二倍】を付加出来る鍛治師はこの世界に他にいるのだろうか。そう疑問に思ってしまうほどの優秀さだ。


「お前さんは終わったが、アイシアはきっとまだ特訓中だろうから会えなくて残念だったな。」


 こちらを見ながらへらへらと笑っている。

 技術だけは優秀だ。けれど中身が完全に正月に帰ったら会う下世話な話が好きな親戚のおじさんで残念だ。

 とにかく、そういう訳で今日はアイシアにも会えず出来ることも少ない。


【ガルムさんは今日はどうするんだ?】


「俺はもちろん鍛治仕事だな。お前さん程良い素材を使えないが、それでも俺がする必要のあることは山ほどあってな。」


【鍛治仕事か……見学しても良いか?】


「ああ、構わんが……お前さんがアイシア以外に興味を持つのは珍しいな。」


【そんな事は無い!俺だってアイシア以外に興味を持つことだってあるわ!】


 俺はいつも記憶があやふやなので、ちゃんと鍛治をしているところを見た事が無かった。だからこの機会に見てみよう、そう思っただけだったんだが酷い言われようだ。


 酷い言われようだったが別に見ても構わないとの事だったので遠慮なくガルムさんの鍛治を見せてもらうことにした。


 ガルムさんは炉に金属を突っ込んでいる。それを開けているのか開けてないのか分からないぐらいの薄目で暫く見つめていたと思うと、カッと擬音が聞こえそうな程勢い良く目を見開き金属を取り出した。


 カーン、という音が一つだけ聞こえた。反響せず、ただ一度軽快な音が響く。それを繰り返し続けている。リズムはバラバラだというのに音だけが一定で奇妙な感覚に陥る。リズムがバラバラなのではなく時間がバラバラになったような錯覚を覚える程に打撃音が揃っている。

 どの角度からどのタイミングで打っても同じ力を伝えられるというのは神業だろう。

 音が一段階上がった。また繰り返しその音を鳴らし続けている。途中、ムラを含んだ姿を見るとこれが本当に剣になるのかと疑ったが、そのムラが仕上げに向けてムラ一つ無く剣の形になる為のムラだったのだと理解させられ感嘆してしまう。こう言っては失礼だが華やかさが一つもないただの剣を作るだけでこんなにも魅了されるとは思っていなかった。


 “あぁ、この人はやっぱりすごい人なんだ。”


 思わずそう思ってしまう。

 そんな作業を日が暮れるまで続けた。打てた剣は数本だったが、きっとこれは素早い作業なのだろう。完璧な仕事でこれよりも早い仕事なんてある筈がない、俺は確信した。


【ガルムさん、やっぱりあんたすげえよ。】


「はははっ、そう素直に褒められると照れるな。アイシアがいないとお前は男を口説くのか?」


【……あんたはほんっとに素直じゃないな。もっとちゃんと褒められてくれ。】


「はいはい、そうだな。儂はすごい、儂はすごい。」


 何とも適当な返しにはぁ、とため息を吐きたくなる。そんな風な戯言を言い合って今日が終わっていく。それはとても平和な事だと思った。


 俺は【ステータス】を確認した。


ステータス

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名前:ボンちゃん

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種族:ミスリル杖、高位魔族【異邦人】

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性別:男

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年齢:16

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状態:強欲の眷属、筋肉の限界を超えし者、

精霊鍛治師に鍛えられし杖、憤怒の眷属

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体力:0/0

魔力:3000/3000

筋力:900

知力:10

視力:10

聴力:10

運気:10

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恩恵:【ステータス】、【精霊の祝福】

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技能:【不死】、【魔力供給】、

【魔力自然回復<極>】、【念力】、

【怒りの一撃】、【威力増幅<極>】、

【並行射撃<Ⅴ>】、【対魔】、

【硬化】、【念話】、

【筋力三倍】、【限界突破】、

【気絶耐性<特>】、【欲求変換】、

【疲労無効】、【形態変化】、

【魔力二倍】、【技能貯蔵】

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お読み頂きありがとうございました。

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