百三日目のステータス
今日は103日目です。
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今日の天候は晴天。
早朝から炉に火がくべられ、鍛冶場は灼熱と化している事だろう。
「どうしたいかは見つかったか?」
【その前にアイシアがどうしているか教えてくれ。】
ガルムさんは、あぁ、そうだったな。ボンにとったらそれが一番大事だよなと笑われた。
「それでな、うちのとこの猫、シャルは今精霊を憑依させる方法を教えてやってる筈だ。」
【精霊を憑依?】
「あぁ、そうだ。シャルは言葉を話せる猫ってくらいで特に強いわけじゃなかったんだが、鉱山で土の精霊に好かれてからあの強さを手に入れたんだ。だからよ、儂はあの敵さんも精霊を憑依させているんじゃないかと思っておる。魔法が効かない理由や屈強さはそれが理由じゃろう。ただな、常より精霊を憑依させとったら身体が壊れる筈なんじゃ。だから敵さんは特殊体質か、はたまた抜け道を見つけたか……ともかく、アイシアの嬢ちゃんはそれをやってるだろうからきっちりと強くなって戻ってくるさ、安心せい。」
だから魔法が効かなかったのか。そりゃ魔法の扱いに関しては精霊に勝てる存在は精霊以外にいないものな。納得だ。
【ならさ、ガルムさん。魔法を強化する方向に俺を強化してくれ。】
「そういうと思っとったわ。任せておれ、儂も鉱山で精霊と出会ったゆえに期待は裏切らん。」
【ガルムさん……あんた、本当に規格外だな。】
「なぜか褒められとる気がせんな。それだけで良いのか?自分の為の強化もするくらいの余裕はあるぞ。」
【そうだな……なら“念力”を溜めておく事って出来るか?】
「可能じゃな。それだけか?」
【あぁ、これ以上はやめておく。敵と戦って痛感したんだ、俺に足りないのは力よりも練度だって。もっとたくさんの経験をして強くならなきゃアイシアを守れないと思ったんだ。その時まではこれ以上力を貰っても駄目だと思うんだ。】
「殊勝な考えじゃが……まぁ、ええわい。そうしてやろう。それでじゃな、今回はなんとお前さんにこれを練り込む。」
ガルムさんはそう言って瓶を取り出した。瓶の中には虹色に輝くどろりとした固体か液体か微妙な物体が入っていた。
「ふははっ、ふーはっはっ、見ても分からんか!そうか!これはミスリルじゃ。これを精霊の支援を受けながらお前さんに練りこんだらさぞ面白い事になるであろうな、ふひひひひ。」
ガルムさんの高笑いも初めて見たが、最後の魔女みたいな笑い声はなんだ……キャラ崩壊とかいうレベルじゃない。危ない。これ、本当に俺生きてアイシアの元に帰れるのか……
【ちょっと待て、一回落ち着け。】
「落ち着く必要など無かろう。ミスリルが出たがっておるとは儂らの中で有名な言葉じゃ。ほれ見ろ、出たがっておるであろう?つまりは今すぐやるに決まっておろう!」
このドワーフは瓶から溢れ出す虹色の物体を俺にぶちまけて笑った。特殊な瓶だったのか、ミスリルに触れた箇所から俺は溶けていった。中からも外からもぐちゃぐちゃにされていく。
【うわ!やめろぉ!おっ!おっほおおおおおおおおおおおお】
「ふっはっはっはっは!!これは傑作が出来るぞ!!」
……
……
……
……
……俺は【ステータス】を確認した。
ステータス
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名前:ボンちゃん
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種族:ミスリル杖、高位魔族【異邦人】
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性別:男
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年齢:16
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状態:疲労【小】、火照り【小】、
強欲の眷属、筋肉の限界を超えし者、
精霊鍛治師に鍛えられし杖、憤怒の眷属
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体力:0/0
魔力:3000/3000
筋力:900
知力:10
視力:10
聴力:10
運気:10
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恩恵:【ステータス】、【精霊の祝福】
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技能:【不死】、【魔力供給】、
【魔力自然回復<極>】、【念力】、
【怒りの一撃】、【威力増幅<極>】、
【並行射撃<Ⅴ>】、【対魔】、
【硬化】、【念話】、
【筋力三倍】、【限界突破】、
【気絶耐性<特>】、【欲求変換】、
【疲労無効】、【形態変化】、
【魔力二倍】、【技能貯蔵】
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この作品はどこに向かっているんだ……
(お読み頂きありがとうございました。)