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7. 設楽優は周りをよく見ている

 私の名前は設楽 優。この春から花の女子高校生となった。ともみとは中学からの付き合いで、高校に入った今でも、一緒に行動している時間が多い。いわゆる親友ってやつだ。


 今は読書部に入って、それなりに楽しくやっている。だが、この部活のメンバーは私たちを含め、誰もが個性派ぞろいだ。


 今日、新しく入ってきた水無月という男、この男もなかなかに面白そうな気配がしている。私は面白いことが大好きだ。面白い人間が大好きだ。だからこの男には是非とも、読書部に入ってほしい。


 もしかしたら私たちを上手くまとめてくれるかも?ってそれは期待しすぎか・・


 まあ問題はあかっちだよねー・・・・


 今まで彼女とは何回か2人きりで話したことがある。小学生のころに男の子からいじめを受けていたのがきっかけで、男性を毛嫌いするようになったらしい。


 彼女を納得させるために、1位の人が最下位の人に命令できるっていうルールを提案したところまではよかった。


 まさか一回もカードを取り合うことなく、あがってしまうとは・・・・いろいろと考えてた作戦が台無しになっちゃったなー。


 しかも、みなっちの方は12枚のバラバラなカードと、ジョーカーって感じみたいだし。あかっち・・まじで何者? 2人分の持ち札を調整するなんて、人間技じゃない。


 ただ・・・・


 私は喜田っちの方を見る。


 彼女もまた、人間技じゃないことをやってのける。彼女の観察眼はとても鋭く、並みの人間が相手ならジョーカーの場所なんて簡単に分かるだろう。


 だが彼女は決して1抜けはしない。私たちに気を遣ってる感じなのかなー?


 同じ数字が2枚そろっても、彼女は捨てない。そして、誰かが先にあがると続くようにして彼女もあがる。さて、今回はどうするのかなー?


 って!ふふっ!


 私は思わず笑いそうになる。みなっち、ジョーカーの方ばっか見すぎ!私でも分かるよー!


 喜田っちにも当然分かってると思うけど・・・・ジョーカー取らないなー?彼女としても、みなっちを最下位にさせるわけにはいかないはずだけど・・?もしかして、さっきあかっちに疑われたのを気にしてるのかなー?


 あ、やばー。そろっちゃった・・


「おさきー」


 私はそう言って、みなっちに最後の1枚を取ってもらう。これで私が2抜けだ。ごめんね、みなっちー。


 こうなったら仕方ないかなー。今あかっちは喜田っちのことばっか見てるし、こっそりみなっちに・・・・って、あれ?


 私はみなっちが捨てた2枚のカードをよく見る。わお、大胆だなー。あ。上からカードを置いて見えなくした。やるじゃんみなっち。どうやら私の出番は無いようだなー。


 これで残る問題は・・・・




「喜田!!何つまんないことやってるの!あんたはいつも・・・・」




 あちゃー。爆発しちゃったか。いつかはこうなると思ってたけどねー。


 まあ、みなっちが何とかしてくれるよね?



 結局私は、今回も傍から見て楽しむことにする。期待してるよー?みなっち。


 

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