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異界覇王のテンプレハーレム  作者: 柊屋
一章
9/16

嫌な予感


「お、おい……。見ろよあいつ…」


「うわ……。本物だよ……」


「相変わらず、一人でやってるのか……」


王都に来てから、一ヶ月がたった。

依頼をこなして普通に生活していたんだが……。ある原因でこの通り、周りの人たちからは少し避けていた……。


原因は初めて剣士ギルドに登録したときにバイズとやりあったことだ。


明らかな実力差を見せつけた俺を他の剣士たちの間では関わるのはダメという暗黙のルールがギルドで出来上がってしまった。


この一ヶ月で俺はFランクからBランクに上がった。

オッグ(受付の男)から聞いた話によると一ヶ月でランクを五つもあげたのは過去最速らしく、別の意味で注目され、挙げ句のはて【絶剣】という二つ名までつけられた。最初は呼ぶのをやめさせていたがどんどん広まり、最終的に骨が折れ諦めたのだ。

けど颯真は目立つのがあまり好きではないので心の中では勘弁して欲しいとマジで思っている。


周りからの視線を感じながら、はぁ~と短い溜め息をつき、露店で買ったパンにかじりついた。


周りは毎日飽きもせず、酒を飲んだりして盛り上がっているといきなり、ギルドのドアが乱暴に開かれた。


「た、大変だぁッ!!お、王都に魔物の大軍がやって来るぞ!!」


大きな声で叫んだ男は額に大量の汗を浮かべ、ただ事ではないことが表情からわかった。


それを聞いた男たちは狼狽えてだんだんと不穏な空気に変わった。


「ど、どういうことだよ!!」


「た、大軍だと……。な、何かの間違いだろ!?」


などと騒ぎ、怒号や悲鳴などが飛び会い混乱し初めた。


「狼狽えるな!!このゴミども!!!」


先程まで騒いでいた男たちはその声を聞いた瞬間、ギルド内に静寂が生まれ、先程までの混乱が嘘みたいに消えた。皆、声の主に視線を向けると身長は二メートルを優に越え、その背には巨大な大剣を背負い、顎髭を生やした男……。そう、この男こそ、ここのギルドの頂点……。ギルドマスターだ。


「カルノ、その情報は本当か?」


「は、はい!俺がこの目で見てきたので…。ま、間違えありません!」


「そうか……。オッグ!今、ここにいる高ランクの剣士は何人いる!」


「今、ここにいるのは【剛拳(ゴウケン)】、【雷迅(ライトニング)】、【斬鬼(デッド)】……そして、【絶剣(アブソリュート)】だ」


「わかった!お前ら戦闘準備しておけ!……剛拳、雷迅、斬鬼、絶剣たちには話がある!悪いがカルノも来てくれ」


「は、はい!」


カルノは扉の奥に消えていったギルドマスターの後に着いていき、俺以外の男たちもぞろぞろと入っていった。


(まさか、こんなことになるなんてな……)


心の中で他人事のように呟きながら、パンを口に放り込み扉を開けた。





☆☆☆☆





「カルノ、魔物が王都にどのくらいで到着する?」


「あと二時間くらいだと思います」


「わかった。他に俺たち以外で動く奴らはいるのか?」


「はい。他の剣士ギルドや冒険者ギルド、黒獅子騎士団の少数……そしてファルシオン魔法学園の生徒たちが対処に向かうらしいです」


颯真はファルシオン魔法学園の単語が出た瞬間。ピクリと反応してしまった。


(ファルシオン魔法学園って確かフィリアが通ってる学校だよな……)


「なぜ、ファルシオンのガキどもが出てくる!?騎士団どもは何してるんだ!」


「は、白竜魔法騎士団と黒獅子騎士団は王が隣国との会談で半分以上が護衛に向かっており、もう半分は魔法学園の上級生の遠征に護衛として行っています」


報告を聞いた瞬間、颯真は嫌な予感を感じた。

心臓の音がうるさいくらい鳴り始め、まるで警告するように鳴り続けた。


(嫌な予感がするな……)


「……くそッ!なんてタイミングだ……。仕方ない。今回、お前らが先陣に出てもらうが大丈夫か?」


「はい、お任せください。ギルドマスター」


「あんたに頼まれちゃあ、やるしかないだろ!」


「ハハハ!面白そうだし、殺ってやるよ!」


丁寧な口調で返事をした人は【雷迅(ライトニング)】の二つ名を持つ、双剣使いの剣士で名はアッシュ・クラルト。


二人目はいかにも正義感が強そうな人であり、【剛拳(ゴウケン)】の二つ名を持つ、ナックラー使い、名はカインズ。


そして、最後は全身を黒マントで覆っているいかにも怪しい人は【斬鬼(デッド)】の二つ名を持つ、鎌使いで名前は不詳。


「アマミヤ、お前はどうする?別に辞退してもいいんだぞ」


「……いや、大丈夫だ。その役やらせてもらうよ」


「ありがとう、それじゃあ、今から作戦を伝えるぞ」


颯真は心に残る胸騒ぎを無理やり振り払い作戦に耳を傾けた。

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