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異界覇王のテンプレハーレム  作者: 柊屋
一章
4/16

出会い

颯真が異世界に着いてから、約一年がたった。

颯真は16歳から17歳になり、身長は172cmから180cmと少し伸びた。

身体はこの世界に来る前よりも筋肉が引き締まりかなりたくましくなった。


「ギャアアアアア!!」


耳がおかしくなりそうな断末魔を上げてこちらに走ってくる魔物がいた。

外見は猿に似ているが手足が異常に長く、身体は黒く染まり、目は充血していた。


「うるさいな……」


颯真はうんざりしながら、右手を構えた


「【覇焉・揺刻】」


颯真がそう唱えると空中から、黒い魔方陣が浮かび、みたものを恐怖させるような、禍々しい漆黒のオーラが出ていた。


漆黒のオーラは空中で剣のような形になり、猿型の魔物を容赦なく貫き、猿型の魔物は悲鳴をあげることなく一瞬にして息を引き取った。


「やっぱり、殺しはあまり気分がよくないな………」


魔物でも生き物だ。

命を奪うことはあまりしたくないが、この世界ではそんな甘いことはいってられない

隙をみせるとすぐにやられてしまう、日本の常識が通用しないことを何度も実感した。


この一年で颯真は魔力のコントロールはほぼ完璧と言っていいほど上達していた。

そう、ついにこの森を出ることにしたのだ。


「この森とは、もうお別れか……」


この森ではたくさんのことを学んだ。

自分がどれだけ無力だったことをこの森で理解させられた。

初めて魔物と戦ったとき、恐怖や不安が一気に押し寄せた。颯真は日本の一般的な普通の高校生だ。

いきなり、ライオンと戦えと言っているようなものだ。

いや、ライオンより厄介かもしれない、相手は火を口から出してくるのだ。

………けど俺はまだ生きたかった、まだ見ぬ世界でいろいろなものを見たかった。


「はあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


だから、俺は恐怖を無理やり振り払い、魔物と戦った…

……何時間たっただろうか

俺は気がつけばうつ伏せで寝ていた。

身体を起こそうとしたら急に激痛が身体に走った、自分の身体を見ると全身傷だらけ、血は多少出ている。

周りを見ると朝だったのがもう夕方になっており、俺の近くには俺同様…いや、俺より傷ついており死んでいた。


――そうだ、俺は魔物と戦ったんだ……


初めての戦いで自分が勝ったことを実感した。


でも今はもう思い出、今の俺は昔の俺とは少し違う……

そんな思いを秘めながら俺は深く深呼吸をした…


「さて、行きますか…」


頭を切り替え、見たことがない世界へと俺はまた、一歩踏み歩いた…


そうして俺は異世界に着いてから約一年、新たな出会いを求めてこの森から出たのだった


――三時間後


森から出た颯真は次の目的地になる街へ向かっていた。


「結構、遠いな…」


颯真は歩き慣れたアスファルトとは違い、土でできた道は小石などあり、歩きずらくてしょうがなかった。


目的となる街は、まだ、かろうじて見えてきたぐらいだ。いくら一年、森の中にいて、体力的には問題ないのだが、できるだけ早く街を見てみたいもどかしさでもやもやしていた。


「少し、休憩でもするか」


近くにあった木の木陰に座り、太陽の日照りから当たらなくなり、かなり楽になった。水を飲み、そよ風に当たりながら、身体を休めていると、そんな平穏をやぶるように小さな悲鳴のような声が颯真の耳に入った。


――……けて、だ……か


颯真は、すぐに頭を切り替え、声が聞こえた場所へと急いで駆けつけた。


声が聞こえた場所に来てみると、そこには、歳は俺と同じくらいで、光を反射し、キラキラと輝く金髪を腰まで伸ばしており、瞳は髪の色と同じ金色、心優しそうな雰囲気を感じられる美少女だった。

そんな彼女には、狐のような耳と尻尾が生えており、彼女が獣人だと示していた。

しかし、彼女の顔には、絶望、恐怖などの感情が感じられ、目には涙を浮かべ、彼女は尻餅をつき震えていた。

そんな彼女に近づく大きな影……。体長は3mを超え、肌は黒く、筋肉質な身体を持つ、人型の魔物。

人々にはオーガと呼ばれている危険な魔物だ。

オーガは、人間にとってかなりの脅威になる。その強靭な体は鉄を超える強度を誇っており、オーガの太い腕で、殴られたら最後、身体を破裂するほどの力を持っている。

オーガは知性が高く、群れるため討伐はかなり困難をしいられる。

人間を喰らい、暴れまわる凶悪なモンスターだ。

一体でも厄介なモンスターが、彼女に近づくオーガは三体もいる。


颯真は十分にオーガの強さを理解している。


「【覇焉・戒造『虐刃』】」


颯真の右手には赤黒い刀身を持つ黒い刀が握りしめられていた。【戒造】は【揺刻】とは違い、形が存在している。武器を無から作り出す力。


オーガは彼女を嘲笑うかのように醜い顔を歪め、彼女に手を伸ばした。そんな鉄すら砕く腕を颯真はいとも容易く切り裂いた。



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