話してみると意外に大丈夫かもしれません。
新作と平行して執筆しているので、更新頻度が大幅に遅れています。ごめんなさいm(__)m
「何なんだこの状況……」
眼前では、純平と女の子二人が中睦まじい様子でのんきに火起こしなどをしている。
そうか、これが格差か……。
あの後、再び山に戻って僕たちの拠点まで戻って来ていたが、なにぶんめっちゃ気まずい。
クラスメートの顔を忘れた僕に人権など無いというように、女の子二人は華麗に僕をスルーしている。
「純平君!!これはこっちでいいのかな?」
「あぁ、ありがとう」
あの子達は純平が重度のゲーオタと言うことを知っているのか。
50人を超える二次元嫁を愛でていることを知っているのか。
もし知らないのであれば、僕が率先してばらしてやりたい衝動に駆られるが、なにぶん僕は大人であるため我慢我慢。
「おい!!和樹!!!」
「?何さ?」
「彼女たちに魚とかの取り方を教えてあげてほしいんだけど」
………まじで?
それを僕に頼むかね……。
急いで純平の所まで駆け寄り、すかさず耳打ち。
「あのさ……、多分僕あの子達に嫌われているんだと思うんだけど……」
「だろうな」
あっけらかんとそんなことを言う。
「んじゃ、なんでまた!」
「だかこそ仲良くする機会を与えてあげているんじゃないか」
「そんなの余計なお世話だよ!」
「ほら!彼女たちはもう川の方へ行っちゃったから!和樹もさっさと行ってこいって!」
………。
***
「「………」」
「あっ……、どーも……、和樹です」
明らかに不怪訝になったよ!
僕一人で本当に大丈夫なのかな!?
「んじゃ……、魚取りますか……?」
「あぁ……」「はい……」
……………。
いや、まてよ。
そもそも僕、魚捕まえられないんですけど……。
終わった!!!!!
「あの……、今野君……?」
「えっ!!?あっ、はい!!」
「私たち別に今野君を嫌ってるとかじゃないから……」
「えっと、そうだよねっ!!!僕のこと嫌ってるとか……、へ?」
「この子…、香織って言うんだけど、男の子が少し苦手で……」
橘さんの後ろの方に隠れているのが……、北村香織さん……だったかな。
僕の方を見て、おびえているとまではいかないものの、こちらを警戒してるような素振りを見せている。
「それじゃあ、もしかして……」
嫌われると思っていたのは全部僕の被害妄想だったりするのかな……?
「それに私たちも今野君の名前覚えていなかったし」
……それは喜んでいいのかな……?
「だから……、これから仲良くしてくれると嬉しい」
……それは願ってもない申し出だ。
これから一緒に助け合って生活していく身として、一番の心配だったことだ
「……うん。これからよろしく」
どちらからともなく握手を交わす。
うん。スポ根みたい。
わだかまり云々はこれで溶けたのか、僕の胸の内も心なしか爽快になった。




