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疲れたら休みましょう。
休憩がてら書きました。
「今回の目的は必要な物資の調達と情報収集だ」
「うぬ」
僕と純平は車道の端で休憩をとっていた。
朝早くから山を下り、チャリを漕ぐのは想像以上に重労働。
もう足パンパン…。
「…全然車走ってないね」
「…そうだな」
朝から一台も見ていない。それは…、つまり…。
まぁ、そういうことなんだろうな。
「街はどんな感じかな」
「俺らが思ってる以上に酷いんじゃないか?」
「……」
ゾンビパニックという熱にやられていた頭が冷静になってゆく。
当然ながら、今から向かう場所はただの『現実』だ。
少ないながらも、友達がいた。
家族と共に住んでいた。
その家族の安否さえも分からないが。
「何か、怖いね」
「……、でも知らなければ始まらない」
「……そうだね」
どちらともなくチャリにまたがり、ペダルを漕ぎ始める。
ギアは変えていないはずなのに、次第に重くなっているような気がした。




