朝御飯はちゃんと食べましょう。
「うぅ……」
寝返りを打つと、頭に何かが当たった。
「痛い…」
頭の下を手でまさぐると1個の大きめな石が。
何だ…。石か………。
…石?
「おっ、起きたか。おはよう」
「……純平?」
何で純平が俺の部屋に…。
…いやまて、ここ俺の部屋じゃない。
寝ぼけまなこで周りを見る。
木。木。木。
木…?
…あぁ、そうだった。
昨日、純平と二人で逃げてきたんだった。
「ひょっとして寝ぼけてんのか?」
「…今何時?」
「朝の6時」
「俺まだいつも寝てるよ~…」
頼むから寝させて…。
「よくそんな所で寝れるな」
「お前が連れてきたんだろっ!?ここに!」
おぉっと、眠たいのを忘れてツッコんでしまった。
「まぁ、落ち着け落ち着け」
カラカラ笑う純平。
ったく…。
大声を出したせいか、頭がスッキリしてくる。
同時に寝違えたのか、首も痛くなってくる。
あ~~~~…。
首スゲェいてぇ。
「顔でも洗ってこいよ」
「そうするわ…。……ちょっと待て、……どこで?」
「川」
「お、おう」
川で洗顔か…。
始めての体験だ…。
純平に道を聞き、進むこと数十秒。
チョロチョロと水の流れる音が聞こえてきた。
途端に視界が開ける。
「………えぇ~…、何か想像と違う…」
てっきりそこそこ大きめの川を想像していたが、流しそうめんをする位の水しか流れていない。
ひとまず、顔を数回水で撫でて戻る。
ふぅ。
戻ろう。
「気持ちよかったか?」
戻ると焚き火をしている純平の姿が。
「…まぁ、うん。目は覚めたよ」
「そいつは良かった……。座れ。朝飯出来てるぞ」
「朝飯?」
「ほれ」
何か黒い物体を渡される。
「……何これ?ふ菓子?」
「カロリーメ○ト」
……いや、もうゴミだわ。
こんなん。
「何で焼いちゃったの…」
「だって、焼くと旨味成分が…」
「増えねぇよ」
カロリーメ○トは元から栄養たっぷりだよ。
「ジャンジャン食べてくれ」
「ガンになるわ」
取り合えず普通の普通の…。
エナメルをまさぐり、カロリーメ○トを取り出す。
「…今日はどうするの?」
一口食べる。
…うわっ、口の水分全部持ってかれるな。
「今日は麓に降りて情報を得た後、山を散策」
「…うん、OK」
昨日の夜に確認した通りだな。
残りのカロリーメ○トを一気に口に押し込む。
うん。
やっぱり朝イチで食うもんじゃないわ。これ。




