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魔族の歪んだハーレム合戦



うん、まあ…往来で話す内容じゃなかった。ユーカとして、しのぶとして頑張ったんだろうなってよく分かる内容はともかく…



「あれが姫様の良い人か」


「あれでしょ。姫様が作った物語の勇者アレクみたいな男なんでしょ?」


「いやいや、幻の勇者の生まれ変わりを捜して旅をするって言って出て行った姫様だぞ。生まれ変わりに違いない」



全然正体隠しきれなかった…近づいてこられないだけマシなのか?



「…サレナ。お前、話が違うじゃないか」


「トウマくんがアレクくんで幻の勇者とは言ってない。ボクの良い人としか言ってない」



その良い人の基準が幻の勇者の生まれ変わりなら言ったも同然なんだが…



「とりあえず、やる事やってさっさと帰るぞ」


「うん。とりあえずお城行こう」







魔族には鬼の領主とそれを支える7つの貴族の家柄がある。その下に72人からなる議会があり、城塞都市の施政が行われている。



「というわけで、ボクの良い人」



お城に戻り、母様と弟と噂を聞きつけた7つの貴族の代表にトウマくんを紹介した。



「…トウマ・アレクトラです」



トウマくんが挨拶すると母様以外の全員が睨みつけてきた。言いたい事は分かる…貴族の血を引く男をボクにあてがおうとしていたルシフ卿やサータ卿。弟との近親相姦でより強固にしようとしていたベルフ卿やアスモス卿。そっち方面のレヴィア卿にベルゼ卿。単に目が悪いマーモ卿。


でも、ボクの決定に逆らえる者は居ない。今は母様が領主代行をしているが、ボクが領主なのだ。弟にそれを継ぐ資格が無い以上、ボクが絶対君主だったりするのだ。



「これより、ボクはトウマくんと契りを交わす。7貴族の中から立会人を選んで欲しい」








「ちょっと待て」



サレナの発言に眉をひそめて横槍を入れる声。勿論、俺だ。



「トウマくん、ここでは奴隷の振りしてて」


「いや、契りって何だよ。想像つくけど」


「うん。想像通り子作り」



やっぱりかー…と納得するわけが無い。どうしてそうなるよ。ユーカの時はこっそりしようとしてたくせに立会人とかどういうつもりだと。



「領主の初めての契りには立会人が必要。それにこの人たちはそれが見たいだけだから」



まあ、ブチに何もされてないと言っていたし、初めてなのは…いや、現実逃避している場合じゃないな。


いや、拒める展開なのかとも思うが。他人に見られながらしたいとは思わない。しかも、7貴族…全員幼女じゃねぇか。弟も似たような年だし。情操教育に悪すぎじゃないか。



「サレナ姉様が快楽に悶える姿を見るのはわたしですわっ!」


「姉様が虐められるの見たい」



あ、ダメだ。こいつら手遅れだ…何人かは「混ぜて」と俺に言ってくる始末。ここおかしい。根本的におかしい。魔族の倫理観壊れすぎ笑えない。


とりあえず、こいつらの特徴やら名前やらからミケの時と同じ手が使えるかどうか試してみた…成功したが、将来どうなるか怖い。ちょっとマリン呼んで会談とかすべきかもしれない。この都市の今後について…



「あいつらも姉様も俺のだったんだぞ」



残念な将来の義弟はそんな事を言ったばかりにミケと同じところへ送られたわけだし。ほんと笑えない…前世の俺を殺した将軍が鬼族だったから謀反とか言ってサレナの母様が問答無用で引き渡した。名前すら聞かないまま義弟は義弟じゃなくなった…将来の義兄だったブチとせいぜい仲良くやってくれ。


サレナは領主も貴族も形骸化しつつあるし、議会を主軸に城塞都市の改革をしていきたいとか言い出すし…リーゼアリアに感化されたのか、それとも最初からかはともかく7幼女に俺が幻の勇者とか色々吹き込まないでくれ。軽くこの世界の神殿を破壊し尽くしたくなる。


ちなみに、サレナの父親については語られる事は無かった。まあ、男はだいたい奴隷らしいからそういうものなんだろう。むしろ、幻の勇者なら別格だとサレナが領主を辞めるなら是非領主にとも母様に勧められたが丁重にお断りした。そんな世界征服の第一歩踏み出したくない。


とりあえず、サレナと7人の幼女の猛攻を防ぎつつ墓参りだけは成し遂げた。ついでにサレナが書いた勇者アレクの物語の本とか神殿とか燃やし尽くしたかったけど無理だった。むしろ、サレナと一緒じゃないと誘拐されそうな勢いだったから仕方ない。


そんなわけで、ここも日帰りする事になったわけだが…



「あの…辞退して構わないですか?」


「ダメです。きちんと持って帰ってください」



母様に大きなツヅラを渡された。小さな子が7人ほど入るサイズの…見送りにさっきの7人が居ないし、生物と書かれた札がキッチリと貼ってある。ナマモノではないよな、この読みは…いや、どちらにしても同じだが。



「途中で捨てても…」


「ダメです」


「冷凍して運んでも…」


「もっとダメです」


「手を出しても…」


「勿論構いません」



間違いない。いや、手を出す事はあり得ないが。領主代行がそんな事を言って大丈夫なのか、両親…いや、母親たちはどう思っているのか。どうも思ってないんだろうな、きっと…


置いていくという選択肢は…ダメだ、母様が「置いていったらトウシューと戦争です」って目で見てる。それはさすがにヤバい…被害妄想とかじゃない。脇腹にサレナの刀を突きつけられているだけでもない。改革には領主も貴族も邪魔だし、引退した7人の前貴族みたいに男遊びがしたいとブツブツ言っているからでも…ないわけないだろ、目がマジだよ。


とりあえず、トウシューの学園へ留学という形で預かる事にした。それ以上は無理だ。そこまで責任取れない。取らされるのだろうけど…

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