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臭いものには消臭剤でもぶっかけたくなる

ローズリッテたちが許されたのは夕方になる頃だったが、灯里の怒りの矛先は保護者であるサレナに向かったとか向かなかったとか…大きさを教えてもらうとか聞こえた気もするが気の所為だ。


とりあえず、4人と一緒にベッドメイクをしていたルフィニたちと合流してベッドメイクの実演をして回って、自分の事は自分で出来るようにと厳命しておいた。


そんなこんなで夕食と風呂も終えて1日が過ぎようとしていた真夜中の事…


突然の臭さに目が覚めた。



「……魚臭い」


「酷いですっ!?」



ベッドの中に、魚臭い人魚と鳥臭いハーピーと胡散臭いドワーフが潜り込んでいた。昼間の4人みたいな事があればストーカー駄女神が飛んでくるだろうからまだ何かされたわけじゃない…と思いたい。


後、魚臭いのは嫌いだが魚が嫌いなわけじゃない。でも、人魚姫の話は好きではない。そういう事だ。



「とりあえず、何でこんな事してるんだ。イリーナたちからはまだまだ土下座の勢いとか足りないから焼き魚、焼き鳥、焼きドワーフになるよう焼き土下座を覚えさせろと伝えてたはずだが?」


「扱いが酷いピヨ」


「実際やらされましたよ。フレアさんが熱した鉄板の上で…」



フレアの事だから、熱したといっても低温火傷程度にしかならない温度なんだろう…次はフローラのブレスとか使うように言っておかねば。


というか、オウギの奴が退行している気もする。多少は効果あったか?



「トウマ様はあたしたちの事、嫌いですか?」


「うん」


「即答っ!?」



ルマリが驚くが、ヒレで叩かれて好きだなんて言う性癖や趣味は持ち合わせていない。子どもの嫉妬ならまだしも、全力で殴ってこられたら反撃だってしたくはなるがギリギリ自制出来たのだからそれだけでも感謝して欲しいところだ。


とはいえ、嫌いだから「はい、さようなら」と追い出すつもりは無い。そもそも、嫌いは嫌いでも全てがというわけでもないし…


というか、俺に心身共にダメージを与えられるなら生け贄となる前に逃げとけとも思うんだが。



「あー…もう指輪ならくれてやるからさっさと部屋に戻って焼き土下寝してろ」


「どんどん扱いが酷くなるピヨ…」


「右手にすら嵌めてくれないんですね…」



ローズリッテたちみたいに土下座で待つ事もしないで何をほざくか、こいつらは。泣きそうな瞳で見てくるが、その手には乗らない。灯里で懲りてる。



「ど、どうか名誉挽回させてくださいっ!」


「汚名挽回の間違いだろ」


「どうしてあたしたちにはそんなに酷いんですかっ!?」



好意にはきちんと好意で返す。歪んでてもそれなりにはだ。逆に言えば悪意は悪意でしか返さない…それで色々と失敗しているが、本質なんだから変えようが無い。


とはいえ、好きの反対は無関心だとか言われているわけで嫌いなのは無関心とはまた違ったものだ。ガキかとも思うがどうでもいい奴にわざと酷い事をする程の暇は持ち合わせてない。



「酷いと思うなら他の奴を選べば良い」



目の前に居るのはバカだけど種族としては人気とかある3人だ。バカだけど…



「それが一番酷いピヨっ!」


「こんな化け物にしておいて見捨てるつもりですかっ!?」



神魚と神鳥と巨神になるんだっけか…見捨てたら、駆逐されるだろうな。主にミケがやる。間違いなく焼き魚と焼き鳥にして。


そういう考えでは対等な間柄にしておかないといけないのかと思える。気は進まないが。まったく気は進まないが。ミケが変なものを食べて腹を壊さないのなら仕方ない。



「というわけで、ミケが腹を壊さないためだけに渋々仕方なく残念ながら嫌々ではあるが指輪にチェーン付けて渡してやるから大切に持ってろ」


「というわけと言われても…」


「完全に非常食扱いな気がするピヨ…」


「安心しろ。トリンは完全な駆逐対象だから」


「安心出来ませんよね、それ」



城塞都市の壁を壊さない限りは大丈夫だろ。あるいは八百長とか賭博しない限りは。


とりあえず、適当にチェーン付けて首にかけてやった。



「ちなみに、悪い事したらチェーン短くなって最終的には首チョンパだからな」


「鬼、悪魔っ!」


「完全に血抜き仕様ピヨ…」


「処刑道具じゃないですかっ!」


「安心しろ。神になったら首チョンパくらいでは死なん」



実体験済みだし…それに、そこまでする前に灯里たちから制裁されるだろうからチェーンの事はハッタリなわけだし。


チョンパするのは首ではなく指輪の方だし、その時は完全追放だから安心して構わない。



「とりあえず、品行方正にしてろ。ルビィたちを見習えとまでは言わないが多少なりともまともにしていれば指に嵌める事も考えてやるから」



そう告げると3人は目を輝かせた。それは構わないが、そろそろこの臭いに限界だ。



「だから、毎日きちんと風呂に入って体を清めてこい。特に魚」


「ちゃんと入ってます」



煮えるからと水風呂しか入ってないって聞かされてるんだぞ、こっちは。それを口実に混浴を強制されかけてる身にもなってみろ。後、鳥は烏の行水だし…ドワーフは鍛冶して汗かくんだからこまめに入れ。


というわけで、3人を転移で風呂に叩き込んだ。シーツ交換しておかねばならない。


この後、ずぶ濡れになった3人が部屋に戻ってこようとした途中でイリーナとファルに捕まり掃除と徹夜の勉強をさせられる事になったそうな。

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