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貴族のプライド、プライスレス

後7つ…未だ土下座講習会は続いてるようでまだ来ない。ついでにシーツ交換の講習会もやって自分のベッドメイクくらい出来るようにしなければならないと思うが、ルフィニが徹夜してたので寝かせたから無理だ。


リーヴァは教えるの不向きだし、ロニカは下手だ。擬音が多すぎる…まあ、手慣れているし、実際に見たから理解は出来たが。後で手伝わないといけないかもな。2人だけでシーツ交換していれば夜が明けそうだ。


とはいえ、いずれは自活しなきゃいけないわけだし…



「とりあえず、トウシューの領内で中古の大きな家が欲しいんだが…」


「そうですか…手配致しましょう。ですが、我々はこのままでも構わないんですよ?」



とりあえず、困った時のシュウゾウ頼み。これから大勢の妻を養っていく甲斐性は未だ無いが、何とかなるはずだと安易に考えている。まあ、戦艦とか売ればどうにかなるはずだと思っている。



「単なる俺のワガママだ。いつまで続くか分からないが、家族ごっこをしておきたいからな」


「家族ごっこですか…」



未だに割り切れてない部分がある以上、ごっこでしかないと俺は考え続けている。だが、あくまで俺個人の問題だからな…悪いのは俺だけだから何とも言えないが。











シュウゾウに頼んで領主室を出ると綺麗な土下座が4つ並んでいた。まあ、誰なのかは分かるし扉を開ける前からこうしていたのは気配で感じてはいた。そこまでする事かとも思うが、そこはサレナが怒ったり神だったりという背景があるのだろう…


とりあえず、通路でされていたら邪魔でしかないので転移させた。勿論、俺の部屋に…



「あー…とりあえず、頭を上げてくれ。別にお前らに叩かれたのは気にしてないから」



魚臭いわけでもなかったわけだし…別に子どもの威力で叩かれても痛いってほどでもなかった。



「でもっ…した事は許されない事です。身勝手な嫉妬で叩いてしまいました…」



ローズリッテが叩いたのがそもそもの始まりだったが、その嫉妬も可愛らしいものだ。そもそも、ローズリッテとマリーテレズはサレナに貴族を当てがってさせようとした。それはサレナにとっても嫌だったが、2人にとっても嫌でしかなかった。嫌なものを嫌で重ねる…それでも、一緒に居たかった。そのためなら何でもする子たちだ。


それは、ディライアとラベンナだって同じだろう。単に方向性が違っただけで、サレナと一緒なら…では、何で嫉妬されたかという話だ。



「嫉妬されるくらいには好かれているわけだ…」



そう言って4人を見ると顔を真っ赤にした。いや、ラベンナだけは恍惚としていると言った方がいいか…いつもの事らしいが、その歳でそれはどうなのかと。



「怒ってはないし、サレナだって特に何も言ってないんだろ…というか、言ってるわけがない。同じ事されたわけだし…」



かつて、ディナと一緒に寝ていた時に似たような事があった…で、思いっきり叩かれましたとも。その後、襲われる事になったわけだが…


そう考えると、昔からまともな奴じゃなかったぞ。お前らの姉様は…


素直に好かれていた記憶がアレク時代には無い。ちょっと泣きたくなってきた…



「あの…どうして遠い目をするんですか?」


「お前らが素直に好きだと言ってくれたら、それで許すし、指輪も渡すから少しそっとしておいてくれ」



マリーテレズが心配してくれているが、ちょっと気遣う気分じゃなくなった。


むしろ、全員に渡し終えた途端に襲われるのだし渡したくないとも思えてきたが、それは残りの3人で考えよう。



「好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ」


「やかましい、バカ犬」



ディライアはもう少し反省しなければいけないと思うが、病まれても怖いからミケに躾けてもらおう。



「素直に言っただけなのに…」


「限度がある。キャンキャンやかましいのは嫌いだからな」



狼なのにとショボくれるが、どちらにしても俺は猫派だから意味無いぞ。とはいえ犬が嫌いなわけでもないが。



「とりあえず、嘘だけは言わないでくれ。お前たちはサレナの妹だって事だけで十分守るべき相手だし引き離すとか考えるつもりも無い。ただ、幸せになれないのに流される事だけはないようにな」


「…既に家や地位の束縛はありません。今、こうしているのは流されているわけじゃありません。私たちは喜んでここに居るんです。このペンダントを戴いた時に気持ちは既に決まっています」



マリーテレズが凛としてそう告げた。そういえば、先に期待させたのはこっちだったなと思う。秘石のペンダントなんて代物をわざわざ探して作って渡した時点で特別だと思わせても仕方ないよな…



「そこまで言うならもういいや。とりあえず右手出してくれ」


「左じゃないんですね…」



ラベンナがしょんぼりしているが、個人としては左も右も今は同列みたいなものだと思っているのが事実だ。そう告げると嬉々として右手を差し出してきた。


チョロいとは思うが、対外的な事もあるからな…


それぞれに指輪を嵌めて…4人がかりで押し倒されました。なんでやねん。



「トウマ兄様、わたしたちが与えた痛みを与えてください。トウマ兄様の逞しいので」



俺に馬乗りになったローズリッテがそんな事を言ってきた。腕はマリーテレズとラベンナが、足はディライアに押さえ込まれている。


というか、やっぱり魔族の倫理観おかしい。かといって払い退けるのは…正直、可愛い女の子にそこまで言われて拒むのは男として出来ない。



「トウマ兄様、こうやってお互いを知っていきましょう」


「一人前の魔族の女にしてください」


「子作り子作り」



約一名ディライアがミケみたいな事を言っているが、結局はそういう事だ。ちょっと流されてもいいかななんて思えてきた。



「お兄ちゃんの貞操の危機だよっ!?」



扉が「バンッ」と開いて駄女神が襲来して来なければ良かったと思ってしまった時点で、俺はロリコンなのかもしれないと思い始めた今日この頃…


4人は灯里に土下座をする羽目になった上に説教されたのは言うまでもない。

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