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特技(寝だめ)

作者: 頭山怛朗

 世の中で「格差社会」だと非難する人が多い。


 でも、おれに言わせればおかしい。何の才能もなく、頭も良くなく努力もしないで社会のせいにするのはおかしいと思う。頭のいい人が一時間でできることを、才能が無く頭の悪い人間は睡眠時間を削ってでもやれ! やってから、文句を言え!


 おれには一つだけ才能がある。

“寝だめ”である。


 花金曜の夕方、六時に会社を出るとファミレスに行って二・三人前分食べる。買い物をして、八時前には独り暮らしのマンション(実際には“ボロ・アパート”)に帰る。風呂に入って、テレビを見て十時には寝る。後はひたすら寝る。起きるのは月曜の午前六時ごろだ。六時ごろ起きて、三日ぶりに食事を取る。その間、ひたすら眠る。八時間毎に起きて、生理的現象を解消し、水を飲んで、また眠る。一度起きても、五分もすれば眠りにつく。五十六時間眠り続けるわけだ。一週間のトータル睡眠時間としては充分である。

 現実、平日には十時になっても全く眠くない。いくらでも(勿論、多少の休憩は必要ではあるが)、仕事ができる。で、頭のいい人、才能のある人が時間内でやることを、おれはおれの唯一の才能を生かして時間をかけてやればいい。

 おれは「格差社会だ! 」なんて文句は言わない。


 今日は平日の夜十時である。

 おれは眠くないが、何時ものようにベッドに入った。

 夜になったら“寝る”以外に他に何かすることがあるというのだ?


 同じことを何度も言って恐縮だが、おれは「格差社会だ! 」なんて文句は言わない。


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