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ぼくは死にます。  作者: 彩之介
第一章 小さな賭け
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              *


 学校の屋上、誰もいないこの場所が雪にとっては大切な場所だ。だれも入れない憩いの場所。

今日も、雪はこの場所にいて屋上から見える世界を見ていた。青い空を見上げながらそして深呼吸。


 今日はある決心をしていた。一種の賭けだ。それは簡単な賭け……。


その賭けのため、雪はルーズリーフにペンで文字を書き、そして折る。



できたのは、ヘタクソな紙飛行機だった。

雪は、空を見てそして紙飛行機を見つめた。



これは賭けだ、今からその賭けをするのだ。

深呼吸をしてそして思いっきり。


風がふいたのと同時に、雪は紙飛行機を空に、この町にむけて投げた。

飛ばしたというには、心細く。落としたというのが正しいかもしれない。


軽い風ならどうしよう、と不安だったがその不安とは裏腹に、雪の手を離れた紙飛行機はどんどん飛んでいった…。



 この賭けなんて成立するわけがないって事ぐらいわかってる。

どんな頑丈でよく飛んでも、紙飛行機は学校より遠くへは行かない事ぐらい。

でもそれでもすがりたかった、カノジョはそれくらいの覚悟があった。




そして……誰かが拾っても、決して信じてくれないはずだから。いたずらだろうと捨てられる事くらいわかっている。

そんな事わかってる。でも雪は飛ばした。小さな決してかなうはずの無い賭けを。




ふわり、ふわりと風にのりながら………。

     

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