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俺の望むもの  作者: マチャピン改三
第1章「ルール説明」
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第5話 「異世界の丘で」

ここはどこだろう?


俺が最初に思ったのは、そんなことだった。


俺のいる場所は、さっきまでいた教室とはうって変わって、緑のあふれる小高い丘の上だった。

俺のいるところを中心にしてだいたい3百メートルほどが、様々な色の花やリンゴくらいの大きさの実のなっている木などさまざまな植物が自生している。

そんなところに俺は横になっていた。


なぜか、胸のあたりに変な重みを感じる気がする。

それはさておき、辺りを見渡しても誰もいない。

誰ひとりとしていないのだ。

教室も中で固まっていた生徒は、誰一人としてこの場にはどこにもいない。

次の授業が始まる5分前には教卓の前にいる数学教師も、同じくどこにもいない。


そればかりか、教室に突如できた裂け目に吸い込まれた時一緒に吸い込まれて、必死になってこちらに何とか手を伸ばそうとしていた阿倍も、どこにもいない。


知り合いもいない見知らぬところにたった一人で飛ばされた不安を紛らわすため、気休め程度にもならないと思うが、ふと、視界の隅にうつった近くに生えている花を適当に一本摘んでみた。


黄色い花びらに、さっきまで軽く霧がかかっていたのだろうか、若干の湿り気を帯び太陽の光に輝いているそれはにおいをかいでみると、ほのかな甘い香りを漂わせていた。

この花は、俺がいままで一度も見たことのない種類の花だった。

ただ単に俺が気にも留めなかっただけで、目にしたことがあったのかもしれない。

だが母が前に買ってきた植物図鑑にはこんな花は載っていなかった気がする。


少し興味を持ったので、帰ったら調べて見よう。そう思って俺はとりあえずどこかにしまおうとした。すると、俺の手からは花が消えていた。

とりあえず今は食料を手に入れるのが先決だと思うので、あのリンゴによく似た果実を少し手に入れておくか。


そう思い、リンゴに近い実のなっている木に近づいた。


5メーターほどの高さのあるその木の枝の下のほうは、そこのぶら下がっている重さでなんとか手の届きそうな高さまで下がってきている。

しかし、俺の伸長が低いため、この果実は、十個も採れなかった。


また、どこかにしまおうと考えると、果実は俺の手から消えた。

消えた花や果実がどこにしまわれたのかを調べるのはあとにして、ここがどこなのかがわからないといろいろとまずいので、丘の麓にでも下りて情報は収集するか。


そう考え比較的緩やかな傾斜のところから麓を見下ろしてみる。

丘のそこには、小さい頃イメージしたRPGの主人公の実家がある村のような感じのする小さな村があった。


小さな小屋ぐらいの家が十数件と一つだけ大きい建物――――あれは酒場か集会所だろう----がたち並びそこを取り囲むように畑が作られている。

村から少し離れた所には、大きな湖があって貴重なタンパク源も多くとれそうだ。


ここでならこの近辺の情報のほかにささやかながら食料が手に入ると考え、俺は丘を下ろうと歩きだした。


ズルッ


地面が軽くぬかるんでいたのか、俺が一歩歩き出した途端に地面が少し陥没しバランスを崩してしまった。


受け身を取り損ねた俺は、そのまま麓まで転がり落ちた。


全身に泥や千切れた草を纏った俺は、転がったためにできた軽い傷に普段から持ち歩いている絆創膏を張ろうと、制服のポケットを探った。

しかし中からは何も出てこなかった。


仕方ないのでとりあえず制服についた草だけでもとっておこうと制服の上からはたいていると、


むにっ


そんな感覚が胸のあたりからした。


いやな予感がして、体をもっと詳しく調べようとした矢先、少し遠くの方からかすかに話し声が聞こえてきた。


「たぶんこっちの方なんだけどな」

「おまえの視力には期待してるんだからな」

「しかし仮に人が転がってきたとすると、捕まえてどうするんだ?」

「もちろん、悪龍の生贄さするに決まってんだ」

「そういえば、今月はお前のところの娘だったな」

「ああ、だから捕まえて生贄さするんだ」

「だが、おらたちの娘を順番にささげると決めたのは、村長様だぞ。それを勝手に別の奴になど・・・・・・」

「なに、心配すんな。あの『精霊の降り立つ丘』は、うちの村の領土だろ。だったら勝手にうちの村に入った奴を生贄にしようが誰も文句は言わねえさ」

「なるほど。しかし、男だったらどうすんだ」

「それはそんとき考えるだ」


・・・・・・さて、俺は生贄になどなりたくないので逃亡を図るとしますか。

ま、俺は男だから・・・・・・いやまて、さっきの感触は・・・・・・。


「いたぞ、捕まえろ」


ぐだぐだ考えるよりも先に、ここから逃げることを優先した方がよさそうだな。


「これじゃ埒があかねえ。だれか村に戻って、人連れてこい」

「わかった」


・・・・・・状況が悪化しましたね、これ。


やっと、やっと性転換してくれた。

しかし、村人のせいであまり詳しくは書けなかった。

村人のくせに・・・・・・


まあ、お約束の異世界です。

異世界と言ったらやっぱり、アイテムポーチですよね(なにが?)

ということで、友紀ちゃんにも装備させてみました。


もちろんあの花も、中にしまわれました。


最後に誤字脱字などございましたら、ご報告していただけるとありがたいのでぜひ見つけたら連絡のほうお願いします。

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