第42話「悲しみの場所」
友紀ちゃん、誕生日おめでとう!(作中で年はとってないけど)
視界が晴れると、そこは広い空間だった。
そして、その空間には見覚えがあった。
「あのときの場所か……」
グレアムと戦ったあの場所。俺たちは今、そんな場所に来ていた。
「懐かしいな。あれからまだそんなに立ってないんだよな」
ちらっと、フラーモを見る。彼女はこの場所で家族を殺され、また自分も殺されかけたのだ。そんな彼女が今なにを思っているのか、俺には分からない。わからないが、彼女がどれほど心に傷を負ったのかは、あのときの様子を見ればなんとなくの察しはついた。
とそこで、ふと思う。フラーモの様子が、あの時さらわれる前と同じっぐらいまで回復していることに。
「友紀さま、意外にお思いですよね?」
と、唐突にサフランさんに話しかけられた。
「……はい。どうしてまだあれからあまり時間が立っていないのに、フラーモはああいう風にふるまえるんですか?」
普通ならば、あれだけのことがあればしばらく放心状態になっていてもおかしくはない。事実、救出した際の彼女はまさにそういった状態であったのだから。だが今の彼女からは、そんな雰囲気はみじんも感じることはできない。
「お嬢様はとても強い方なんですよ。肉体的にではなく精神的に、ですけどね? 確かにお譲様はあの時深く傷ついた。家族を全員失ったのですから。でも、全員がったことが」むしろお嬢様にとっては良かったのかもしれません。今までのように、王位継承権のない一国の王女としてではなく、生き残った唯一の王族として、新たな女王として、そんな立場になったからこそ、彼女は心を保っているのです。自分がしっかりしていないと、家族と暮らしていた、大切な国を失うことになるのですから……」
そこでサフランさんはいったん言葉を区切った。じっと俺を見ている。そうして彼女は、再び話しだす。
「ですがやはり、心には大きな穴があいているのは事実なのです。だからもともとは私と私の分身しかいなかった、『中央守衛隊』にあなたたちを加えることによってその穴を埋めたかったのでしょうね。それにお嬢様は一度みなさんに助けられている。だからこそ、みなさんを任命したのでしょう。お嬢様はいざというととき戦力を、皆さんは国内において確かな立場が得られる。ですから、どうかお嬢様をよろしくお願いします」
そう、サフランさんは言った。
どうも、半年ぶりとなるマチャピンとかいう亀です。
この更新の遅さはもはや亀としか言いようがありません。
こんなにとろとろとした生物は亀以外の何物でもありません。
……いや、今の発言は亀に失礼だな。
全国の亀及び亀に準ずる方々、どうもすみませんでした。
さて気を取り直して、
どうも! 亀以下のマチャピンです!
ええそうですよ。更新遅いから二年以上連載して現実世界で友紀ちゃんの誕生日が三回訪れても完結には程遠いんですよ。
ま、一回更新したわけだし、またしばらく行方をくらましても……あ、駄目ですか。やっぱりそうですか。
というわけで、近いうちに更新したいなぁとだけ言っておきます。(更新率はお察しの通りです)
では、次は書き直した俺望第一章でお会いしましょう!
※都合により、あれは省略します