第3話 「いつもと変わらない朝(3)」
「で、そのペンダントは何だ?それは誰にもらった?俺の友紀ちゃんに手を出すとは。死ぬだけじゃ済まないと思い知らs・・・・・・」
「俺は男だぁぁぁ!それとおまえのものでもねぇぇぇ!」
「そうそう、お姉ちゃんはみんなのものだもんね♪」
何やら変態染みた黒いことを考えている変態という名の変態はとりあえず殴ったら静かになってくれました。
・・・・・・あと妹よ、お前には後でいろいろといいたいことがあるのだが・・・・・・
さて、動かなくなった阿倍は放置して学校へ向かうとしますか。
何やら阿倍のような形をした粗大ゴミ的なものがまるで不法投棄のように転がっているが、気のせいだ。
少し歩いたら、何かを踏んだような感触と「ぐふ」などという、曇った声が聞こえたのも、
もちろん気のせいだ。
最後に「せめて最後まで責任もって学校に連れてけ、それからけkk・・・・・・」などと言っていたのは気のせいだ。
俺たちの通っている学校は、俺の家から徒歩十分ほどのところにあるのだ。
距離的には・・・・・・。
通学路には、俗に心臓破りの坂と言われるような坂が学校からくもの巣ように何本ものびている。
ちなみに俺の学校のマラソン大会的なものは、全員強制参加などではなく、自主的に参加不参加が決められるのだ。なぜなら昔は強制だったらしいのだが、大半の生徒が途中棄権をしてこうなったらしい。それでも半数以上が途中棄権するのだが・・・・・・
閑話休題
そんな坂道を気合いで何とか通り過ぎ、ようやく学校についたときには、もうギリギリでアウトな時間でした。
あと3秒ほどチャイムが鳴るのが遅ければ、なんとか校門に滑り込みできたのに・・・・・・
この時間帯になるとさすがに、教室の中にはクラスメイト内の大半の生徒が席についていた。
俺も、何とかHR前には今日の準備を済ませ、担任が来る前に席に座った。
それから1分もたたないうちに、チャイムが鳴った。
いつもならとっくに来ているはずの担任がまだ来ていない。今阿倍が来てもチャイムが鳴る前に校舎に入ったのならば、奇跡的に間に合う。
それでも、阿倍はまだ来ない。ついでに担任もまだ来ない。
それから数分がたち、
襤褸雑巾のように引きずられた阿倍とそれをさわやかな笑みとともに引きずっている体育会系の担任が教室に入ってきた。
それからは、何事もなかったかのように朝のHRを終え俺は、HR前からぐったりとしている阿倍のところに向かった。
阿倍はぐったりとした表情をしており、ブツブツと何か言葉を発している。
近寄るとその言葉がはっきりと聞こえてきた。
「おのれ斎藤め、たかが廊下を走ってたら男子生徒と角でぶつかってお知り合いなどという不幸極まりない事態に陥った挙句、掲示されていた美術部の作品をやぶ行っちまっただけで・・・・・・よし、いつか天誅をお見舞いs」
などと、教師の暗殺をもくろんでいる阿倍はとりあえず黙らしました。このやり取り、今日2回目な気がする。
ちなみに斎藤とは、熊と人とを足して2で割ったような外見の持ち主でトライアスロンを趣味としているこの学校の生徒指導だ。
さて、朝の時点で嫌な予感がしていたことを、異常なほど回復力が高く、もはや自力で光合成をしているのではないかとからかわれている阿倍に聞いてみますか。
「なあ阿倍、その指輪どうしたんだ?」
「これか、これは昨日の帰りたまたま見つけたk」
「やあ、そこの世界一美しいお嬢さん」
もう少しでどこで手に入れたかがわかるというところで、隣のクラスの秋本が俺に話しかけてきた。
こいつは確かに人並み以上にはかっこいいのだ。ただし女子にはもてないし、もちろん特殊な人たちにももてていない。なぜならこいつは、
「いつも君は世界一かっこよく世界一イケメンな僕のことを見てくれてないようだけど僕は君のことが世界一好きだから常に見ているのさ」
ナルシストなのだ。
「さあ、僕と付き合って世界一の美男美女カップルに・・・・・・」
その瞬間世界は時を刻むのをやめ、その色を失った。
俺と阿倍以外は・・・・・・
なんとか投稿することができました。
今回は、特に重要なキャラは初登場していません。
今回の話の最後に出てきたナルシストは、初めはこんなキャラではありませんでした。たぶんもうほとんど出てこないキャラです。
最後に、誤字脱字など見つけたのなら、報告お願いいたします。