第39話「Other Side3:Secret 」
友紀ちゃん、一応誕生日おめでとう。
「それにしても、全員が集まるのなんていつ以来だ?」
琴羽音駅周辺の食事処は、多くの客でにぎわっている。
その一角に、30代後半ぐらいの外見をした5人の男女が陣取っている。
うちわけは男が3人に対し女が2人。皆、旧知の中らしく、会話がはずんでいる。
そんな中、唐突に一人の大柄の男――――阿倍一夢がいった。
「確か、2年前くらいに一度集まらなかったか?」
それに対する返事は、一夢の隣に座るやや細身だが、筋肉質というべき男――――如月シンが答えた。
「ん? ああ、そう言えばそうだったな。あの時は久々にお前らがこの町に帰って来たときだっけな?」
肯定と示すのはシンともう一人。如月雪花がほぼ同時に頷いた。
「うん。でもあの時はひかりちゃんが忙しくって結局あんまり長くはいられなかったんだったよね?」
雪花から話が私に飛んでくる。
私はちらっと、最後に残った人物を見てから答えた。
「うん、まーねー。でもさー、そこの人さえきちんと帰ってくればさ―、私だってこんなにはたらかなくていいわけだしー」
さいど、残った人物を見る。彼は苦笑いを浮かべながら「いや、仕事の都合で家を空けてるだけなんだから仕方ないだろ」といった。
「まあたしかに、ひかりちゃんも大変なんだろうけどさ、ほら、センルーマ君も忙しいんだしさ」
すぐさま、雪花がどっちの味方かわからないフォローを入れた。おそらく、この場合はその男の味方なのだろう。
「…………。その名前で呼ばないでください。それはあの時故郷と一緒に捨てた名です」
だがあいにくと、援護射撃は失敗したようで、冷たくそう返されたしまった。
それを横目に見ながら、シンが端的に問いかける。
「で、今回俺たちをここに集めた理由は?」
その質問を待っていた。
だから私は、あらかじめ用意していた答えで返した。
「いよいよ、始まったみたいだよ」
と。
その一言で、一体何のことを指しているのかはここにいる全員が判ったようで、途端に空気が変わった。
――――――――――――――――――次回予告――――――――――――――――――
「さあ、はじまりました。俺の望むもの第三回次回予告。本日のお相手は、友紀ちゃんファンクラブ会員番号597番。友紀ちゃんの実の妹古泉成実と」
「同じく942番。とりあえずはいらされた如月風音が」
「「お送りします」」
「えっと、なんで今回はあの変態がいないかというと、前回までの素行が悪かったから急遽今回はずされたというわけです」
「確かにね。だから今回私が呼ばれたわけね」
「はいそうです。作者は『私の人選ミスでこんなことを招いてしまった』と大変心を痛めておりました」
「まあ、そんなうわべだけの言葉はさておき、次回の内容に移らせていただきます」
「次回第4章「初めの一カ月」」
「「お楽しみに」」
「やった。今回は時間内に収まった。やっぱりあれがいないと、このコーナーがやりやすいね」
どーもー。マチャピンとかいう生物です。
これにて「俺の望むもの」の第3章終了しました。
次回はいつ更新するかわかりませんが、絶対に今年中には再開します。
それまで、しばしの訳レを……とは言っても、クロディスは書くんですけどね……
それでは、最後もいつもので
誤字の、誤字による、誤字のための、加筆修正。
元ネタがテストに出たのはいいんですが政治を書き忘れて不正解にされました。