第2話 「いつもと変わらない朝(2)」
「一昨日までは空き地だったところに新しくできた骨董店だけど?お姉ちゃんも何か欲しいの?骨董品じゃないのも売ってたから今日の放課後にでもいっしょに行く?」
さてと、こいつは昨日俺の言ったあの店に行ったということか。
つーことはこいつも、あのオッサンに会ったってことでいいーんだよな。
そう思って妹に
「その骨董店は、どこにあったんだ?」
と確認しようとしたとき、玄関先から鍵を開けるようなガチャリという音とともに、何者かがドアを開けて侵入してきた。その何者かは俺たちのいるキッチン兼食卓に入るなり
「ご飯ちょうだい~」
とか言ってまだ半分近く残っていた人の朝食を奪い食べ始めた。
この人物は、俺たちの母親である。
いつも帰りが遅いうえに、たまに早く帰ってきたらこれである。
・・・・・・まあいつものことだから気にしないが。
さて、俺の朝食がなくなってしまったので何か作ろうかと考えた時、
「そのペンダントは何?どこで買ったの?」
などと妹が聞いてきた。
そう、俺はなぜかこのペンダントをなぜか身につけておいた方がいいと思ったのだ。
その言葉に興味を示したのか、母はペンダントを俺から奪い確認した。このとき一瞬母の様子がおかしかった気がするがすぐに気を取り直して
「どれどれ、友紀ちゃんがそうゆうの買うなんて珍しいわね。彼氏からついにプレゼントとしてもらったの?」
と聞いてきた。
確かに俺がこうゆう物のを買うのは珍しいことだ。普段ならだれかに買ってもらえるとしても「こんな女らしいものいるかぁぁぁ」と言って突っぱねるのが普通なのだが・・・・・・
ましてや自分から好き好んでこんなのもを買うなんてことは、普段ならば決してありえるはずない。
・・・・・・あと俺は男なので、彼氏ではなく彼女の気がするのですが・・・・・・
なので俺は適当に、
「なんとなく買っただけ」
と答えた。言ったと同時に、母の目が怪しげに光った。この時俺は、もう少し考えて言うんだったと後悔した。
なぜなら母と妹がお互いを見て、同時にうなずき、
「「じゃあこれに似合いそうな服、放課後一種に買いに行くわよ♪(行こうね♪)」」
などと言ってきたからである。ならば、今日は友人とどこかに遊びに行ってから帰ればいいかなどと考えていると、
「そうと決まれば、放課後に迎えに行かなきゃね♪二人ともそれでいいわね?」
「「はい!」」
という会話が隣で繰り広げられていた。
ん?なんかここにいてはいけない奴がここにいるような気がしたのだが・・・・・・
そう思って声のした方向をみると、なにやら今日の放課後について楽しそうに会話を行っている三人がいた。
母がいるのはわかる。さっき帰ってきたからだ。
妹がいるのもわかる。いつも一緒に食事などをしている家族だからだ。
では、さっき頼ろうとしたこの友人は?
この腹立たしいぐらいに整った顔立ちで、170以上の身長 (悔しくて正確には聞いていない)で、テストはいつも十番以内、運動も人並み以上にできるが、決してそれを自慢しないこいつは、阿倍圭一
俺の友人にして自称俺の彼氏で、俺のファンクラブが「あいつにいつか天誅を」とか言って狙われている。
ちなみにこいつが彼氏発言をした途端に軽く数メートル飛んで行くのはご愛敬。
その間にも、今日の放課後についての会議が母のもとでとり行われ、予定が決まったのか母が、
「では今日の放課後に」
といって二人が、
「わかったよ、お母さん」「わかりました、お義母さん」
といった。
とりあえず普段ならこの三人に尋問的な話し合いを行うのだが、あいにくそれを行ったらガチで全力疾走しないと遅刻しそうな時間になっていた。
なので聞きたいことはいろいろとあるのだが、とりあえずそれは歩きながら聞くとする。
その後、阿倍に少し待っててもらい、三人で登校しようとしたとき阿倍が、
「で、そのペンダントは何だ?」
と、指をさして聞いてきた。
その指には、昨日まではめてなかった指輪が輝いていた・・・・・・
さて、母親と友人の登場です。
この友人も何か持っています。
それはともかく、今回の話は当初の予定とまったく違ってしまいました。
本当なら阿部の登場で終わる予定でした。
ただそれだと短すぎることに気づいたのであわてて加筆修正したので誤字が多いかもしれないので、発見したらご連絡お願いします。




