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俺の望むもの  作者: マチャピン改三
第3章「命がけの救出作戦(ゲーム)」
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第26話「噂」

「それしても奇遇ですね。こんなところで会うなんて」

 グレアムさんが誰にともなく言った。

 一行はギルド内にあるパーティメンバーの募集や、依頼の受理などを行っているスペースへと移動していた。

「ところでグレアムさん、今度はどこへ行くつもりですか?」

 ポールさんの右隣に座るジョーンズさんがグレアムさんにたずねた。

「どこに行くのかといわれましてもこの間見つかった新しい精霊石の鉱脈にとしか答えられません」

「ああ、あの辺ですか。ここからだとだいたい7日ぐらいですよね」

「ええ。その日程でこちらも予定しています」

「しっかしまた逆方向じゃないですか。まあ、俺たちのときみたくノーカストラルからハクルヒャミンまで大陸を縦断させられるよりはまだましですね」

「そんなこともあったんですか?」

「確かにそんなこともありましたっけね。もっとも、あれは急ぎの品があるからやる必要があったからであって普段からはあんなことはできる限りやりたくないですよ」

「まあ、こちらとしてもあのときの報酬はかなり魅力的だったんですけどね。だって相場の5倍近くありましたしね」

「もっとも、苦労は10倍以上だったんじゃないですか?」

「確かにあのときは徹夜が当り前で3日かけて進むようななところをたったの1日で渡りきったりしましたもんね」

「そうなんですか。そのときのお話もっとはっきりと聞かせてもらってもいいですか?」

「もちろんいいけど」

ジョーンズさんとグレアムさんの会話にいつの間にか阿倍が違和感なく溶け込んでいた。

もっとも、あいつはそういうやつなので今更驚きもしないが。

「それでポールさんたちはどちらまで行くつもりなんですか?」

俺は何となく暇そうにしているポールさんに話しかける。

「ん? ああ、俺たちは王都に来るのが目的だったから、ここまでだよ」

「そうなんですか。でも、何のために王都まで?」

「あれ? 友紀ちゃんたち知らないの? 俺はてっきり知ってるもんだと思ってたけど」

目的を聞いたのはこちらなのにあたかも知らないのがおかしいみたいな態度をとられてしまった。

「何のことですか? 全く心当たりがないんですけど?」

「あちゃー。これはほんとに知らないみたいだな」

「ですから、何のことですか?」

「わかった。教えてやるよ。友紀ちゃんは俺たちが初めて会ったときにこいつがなんて言ってたか覚えているかい?」

 そういうとポールさんは左隣に座るエリックさんに軽くひじ打ちをした。

 何か言っていたような気もするが全く駄目だ。何も思い出せない。

「確か、国王が暗殺されたとか言っていたような気がするんですけど」

 しばらく考えていると、風音さんが会話に混ざり答えを言った。

 そういえばそんなことを言っていたような気もする。

「ああ、そのことで間違いないよ」

「でも、それとポールさんがここに居ることと何か関係が?」

「あるに決まってんだろ。即位式が3日後に行われるらしくてな。それに間に合うように来たんだ」

 ピクリと、フラーモの肩が動いた気がした。しかし、フラーモの様子は普段とあまり変わらず、ただの見間違いだったのかもしれない。

「確かにそんなことも行ってましたね」

 そのフラーモはというとこちらも会話に参加してきた。

「で? 恋人のかたはこっちに来てるんですか?」

 ためしに聞いてみる。

「いや、わからねえ。ここ最近連絡が取れなくてな」

「エリック。だからあれほど彼女は大切にしろといったんだ」

「いやいや。大切にしてたからねっ!? たまにきちんと連絡入れてたし、時間に余裕があれば<簡易転送装置インスタントポータル>使ってまで会いに行ってたから」

「気付かないうちに傷つけていたんだろ。そういうのって、本人はなかなか気付かないものさ」

「あながち否定できない」

「あの、即位式についてもう少し詳しく教えてくれませんか?」

 突然フラーモがそう言った。

「いいけど」

 そう言ってポールさんは説明を始めた。

「なんでも、王位継承最有力候補だったアズベルト・アッシュフォード8世も一緒に暗殺されたらしくてな、なんでも王位は弟のフェンギルト・アッシュフォードが王位に就くそうだ」

「でも確か、彼は王位継承権が3位だったはず」

「いや、継承権が2位だったハルストン・アッシュフォードなら暗殺されたくないといって辞退したそうだよ」

「それでフェンギルト王子が」

「ああ、そんでもって新しい国王を選出するために臨時特別会議が行われたらしい」

「あれ? 確かそれは南の国ハクルヒャミンに侵攻を開始した東の国トラクレクス帝国の動きと今後の対応について話し合うはずだったんじゃ?」

「そうなのか? 暗殺の翌日に招集されたから俺はてっきりそのことについて話し合うものだとばっかり思っていたんだが」

「そうですか。すみません変なこと言って」

「気にすんな。あくまでも俺個人の推測だし、ほんとはそっちの言ったことが正しいのかもしれないしな。おっと、もうこんな時間だ。俺たちはここで失礼します」

 そう言ってポールさんはジョーンズさんとエッリクさんを引き連れてギルドから出て行った。


どうも、マチャピンと申すものです。

さて、次回かその次あたりには戦闘シーンを入れたいなと思っていながらもこの先どうしようかはっきりと決めてないのでどうなるかはわかりません。

最後になりますが、誤字報告のほうホントにお願いいたします。

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