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誇れ!~私が社長の秘書と恋人の座を手に入れるまで~  作者: 慧依琉:えいる


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第26話:一緒にいて居心地のいい関係


このお話は主人公目線で語り口のように綴っております。



ラーメンやに着いた時、かなりの人数が並んでいた。社長は忙しい中、私を送ってくれただけなのにこんなに長い行列を待たせるのは申し訳ないわね…。そう思ったので社長に聞いてみることにした。


「社長……………お時間、大丈夫ですか?」


「ああ、大丈夫だ。それよりもここで社長呼びされるのはちょっと困るな…。」



時間の事を気にして聞いたのだけど、それってまさか…!


「え。まさか名前で呼べとか……………。」


「そうだな。(かなめ)で呼んでくれるのが一番嬉しいのだが……………。」



────やっぱり!だけど、だけど…


「いくら何でもお名前呼びはちょっと…。」


「だが、姓で呼ばれても俺の顔を知ってるやつはすぐに身バレするからなぁ……………。」


そう言って社長は私をチラっと見た。社長の顔は私をいじって喜んでいるようにも見えた。確かに社長の言う通り、知り合いに姓呼びで見つかるのも…と思ったので仕方ないな。


「………………。わかりました。要さん……………でいいですか?」


「おお、素晴らしい響きだね!気に入ったよ。これから社外の時間は俺の事をそう呼んでくれ。」


「だ、駄目ですよ。場所を選んで呼びますから……………。」


「俺は一向にかまわないのだがな。」


そう言って社長はしょんぼりしていた。私はそんな社長を見て何だか可愛く見えて思わず〝ふふっ〟と笑ってしまった。


すると社長は急に元気になってにっこりと笑った。ズルいです!その笑顔は…。私は内心ドキドキしていた。


そして目の前のお客さんたちが徐々に店内へと消えていく。間もなく私達の番だ。それまで二人でこういう他愛ない話をしていた。多分、他の人から見たらとてもじゃないけど、上司と部下には見えないだろうな……………。




そして私達も店の中に呼ばれて、それぞれ注文をした。

目の前で普通にイケメン男性がラーメンを食べているようにしか見えなかった。


〝なんだろう…。この心の距離感……………。社長といるととても心地いい。〟


私はラーメンを食べながら考えていた。

社長の事がどれだけ好きかと言われたら、少なくとも好感はある。それもかなり高いだろう。異性として好きかと聞かれるとそれはわからない。とてもいい男性だとは思ってる。社長の顔はどちらかというと好みだろう……………。ラーメンをすするその姿でさえカッコイイと思えるな…。そう考えていたからだろうか…


「要さん……………。お付き合いの話、お願いします。」


思わず口をついて出ていた言葉だった。


目の前の社長は、ラーメンをすすっている途中で固まっていた。そりゃそうだ。それまでにそんな言葉に繋がるような会話をしていたわけじゃなく、唐突に私が言ったからだ。


ズルズルズル……………。社長がすすりかけのラーメンを口へと投げ込んだ。そして手元にあった水をググイッ!と飲み干して


「今の言葉、本当か?」


と聞いてきた。



私は


「はい。私と要さんとでは釣り合わないとか上司と部下だからとか、私はずっと断る理由ばかり探していました。でも、要さんと離れると何故断るのかわからなくなるんです……………。こんなに一緒にいて心地いいと思っているのに……………。」


「それはまだ俺の事が好きだからではない……………からだろうな。ま、それでもいい。これから好きにさせてみせるから。」


「どうかお手柔らかにお願いします。」


そう言って社長を見るとすごく嬉しそうな顔をしていた。


あとから思えばとても交際の申し込みに対する返答をするのに適した雰囲気ではなかったな、と、ちょっと後悔した。







ご覧下さりありがとうございます。やっと奈々自身が前向きに社長との関係を考えるようになりました。

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