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誇れ!~私が社長の秘書と恋人の座を手に入れるまで~  作者: 慧依琉:えいる


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第2話:理不尽が日々、まかり通っている職場


このお話は主人公目線で語り口のように綴っております。



その後、私は自分の部署に戻ってから手が止まったままの仕事にとりかかった。自分の持ち分以外を担当すると意外と時間が取られてしまうので、その分必死に作業を行うしかないのだ。


それなのに…。



「春川ーっ、ちょっとこのクレーム対応頼む!」


それはまた同僚の笹川雄介だった。




「え、その電話は笹川さん宛にかかって来たものですよね?」


「そうなんだけどさ、俺、このあと会議だから頼むよ。」


「む、無理ですよ。私に上手く説明なんて出来ません…。」


私は今回ばかりは断った。営業の笹川、事務の私。全然商品知識がないのだ。しかも現在どういう話をしているのかすらわからないのに…。


「部長~、俺、このあと会議なんで、クレーム対応を春川に頼んでもいいっすか?」


〝はぁあ?!〟私は思わず言葉にしていたようだ。ジロッと笹川は振り向いてこっちを見たが、彼の方が無理難題を言っているのだ。それに対して怒られたりするのは筋違いだ。担当なのだから会議に遅れても対応してから参加すべきだろう。それなのに…


「春川、出来るか?」


お人よしの事なかれ主義の部長が私に聞いた。無理だ。商品知識の差に私と笹川の話す内容が違えばまた問題に発展する可能性が出てくる。私は即座に断った。



「無理です。」


だが部長は私の言葉を聞いていて聞いていない。


「相手を待たせるわけにいかない、取り敢えず電話出て。」


理不尽だ…。理不尽すぎる…。それなら〝出来るか?〟じゃなく〝やれ!〟じゃないか…。

私は心の中でブツブツ思いながら部長指示なので仕方なく対応することにした。

笹川がニヤついていたのが正直気に食わない。本当に会議なのだろうか…。



私はメモ帳を持って電話に出た。


「もしもし大変お待たせしまして申し訳ございません。笹川に変わり春川がお承ります。」


電話の向こうでお客様は大変ご立腹だ。そりゃそうだ。ただでさえ問題があったところに長く待たされたわけだからだ。そのあとずっとお客様からのお怒りの声を延々と聞くこととなった。よくよく話を聞いていると、どうやら笹川がお客様からの要望の一つを現場に伝えもれていたのが原因だったのだ。


ひたすらお客様にお詫びをし、対応策をお話してやっとの思いで対応は完了した。


〝本当に私はいつもアイツに振り回されてばかりだ。アイツの尻ぬぐいばかりしているじゃないか!〟


流石に今日の私は彼の行動に苛っときた。そしてその勢いで対応の報告を兼ねて部長のデスクまで向かう。絶対に笹川にひとこと言ってもらわないと気が済まない!



「部長、先ほどのクレーム対応の件ですが…。」



そう話を切り出したところへ会議に出席したはずの笹川が戻ってきた。


「ただいま戻りました~~。」


「……………!?」


何というタイミングの悪さ…。会議、終わるの早くない?!



「おお、笹川、会議が終わるの早かったな。春川がちゃんと対応したから報告を聞いておくように!」


〝………っな!〟


やっぱり部長は事なかれ主義で、私が不満の一つでも言おうとしていたのを察知して、笹川が戻って来たことをこれ幸いとばかりに奴に丸投げしたのだ。こんな上司の元で働いていて大丈夫なのだろうか…。多分、部長は笹川の私に対しての横暴ぶりは知っているはずなのに咎めもせずだ。だけどそれでも〝NO〟を言えない私に問題がある、なんだかんだと言いくるめられるのが目に見えている、私はそう思って何も言えずにいた。そんな自分が嫌いだ。


とても悔しい…。





ご覧下さりありがとうございます。奈々が所属するのは営業課で奈々は事務職だ。こういう部署は成績は目に見える「営業」の方が優位に見られることが多いようで奈々の部署も例外ではなかった。同期だというのに笹川の奈々に対する態度は…。

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