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 春から一人暮らしを始めて、生活にも少しずつ慣れてきたある日、ふとスマホの写真アプリを見返していた。

 引っ越し初日の写真や、自炊の失敗作とか、まあ他愛もないものばかり。でも、1枚だけ心当たりのない写真があった。

 俺が、寝てる。

 真上からのアングルで、布団に入って目を閉じてる自分が写っていた。

 最初は、酔って自撮りでもしたのかと思った。でも、時間を見ると深夜二時過ぎ。そんな時間に天井から自分を撮れるようなこと、するだろうか?

 不気味だったけど、怖がりすぎかもしれないと思って、その日は消さずに放っておいた。

 ——翌朝、また増えてた。

 また、寝てる俺。同じアングル。でも、微妙に距離が近い。

 まるで、撮った“誰か”が、カメラをすこしずつ近づけてきてるみたいに。怖くなって、写真はすべて削除した。アプリのアクセス権限も見直したし、パスワードも変えた。

 それから二日ほどは何もなかった。だけど今日、仕事から帰ってきてスマホを見ると、ロック画面に通知が来ていた。

 写真アプリから。

「新しい人物が追加されました:不明な顔1」

 中を開くと、タグ付けされた顔写真が一つ。見たことのない顔。真っ黒な目の、無表情な女。俺の寝てる枕元に立って、カメラ目線で写ってる。タグの下にはこう書いてあった。

「よく一緒に写る人」


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