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影を追う理由

 理不尽なことに缶コーヒーを買って来いと先ほど言われた俺は自分の分も含めて二本購入。


 無愛想に駅のベンチで待つ相棒に片方を手渡した。


 「ねぇコウジ」


 「なんで俺の名前しってる?」


 「さっき盗った財布に保険書が入ってた」


 「あぁそれでか」


 にしてもいきなり呼び捨てか、どこまでも遠慮のないやつだな


 「コウジは影男を追って来たんでしょ?」


 「なんでそこまで知ってるんだ」


 「あたしのカンよ」


 ぷしゅっと缶コーヒーを開けて、そのまま飲まずにいつまでもそれを握っている彼女に


 「とことん読めないやつだな」


 「どーゆー意味よ」


 「いや、トイレに押し込まれたり、お兄ちゃんとか言ってきたり、知らぬ間に財布盗ってたり、


 今だってコーヒー開けたのに飲まずにいる」


 「そのうちあたしの性格ぐらいわかるようになるんじゃない?二人でやっていくんだし」


 「そうかもな、で、お前は何を追ってここに来た?」


 「コウジと同じ、影男を追っているわ」


 「お前は何か知っているのか?」


 「影男に関してはあまり知らないわ」


 「どういうことだ?」


 「霧島側の情報は持っている」


 「どうしたらそれが影男に繋がるんだよ」


 「霧島を追うわ」


 それじゃあ答えになってないだろう


 「追って何になるんだよ。あいつは女優仲間を殺されただけじゃないか」


 「影男を追っている、根本ではコウジと変わらないけどあたしはその過程がコウジと違う。


 だからコウジと協力していろんな方面から影男を追うの。」


 「で、なんで霧島なんだよ?影男との接点なんてさっき言ったみたいに


 無いに等しいくらい少ないじゃねぇか」


 ゴクゴクとコーヒーを一気飲みにしてこっちに顔を向けた


 「今にわかるわよ」


 「?」


 彼女がそう言って駅の出入り口を指差した先にはマネージャーと霧島の姿があった。


 マネージャーの方は携帯で誰かと電話しており、霧島は暇そうに


 それが終わるのを待っている。


 「追っかけるんだったな、俺は好きに調べに行っていいんだろ?」


 「そうね。さっきの言い方だとそうなるわ。」


 「じゃあ俺はまずこっちに借りといたアパートへ行く」


 「だめ。コウジはあたしと霧島を追うの」


 「は?」


 その時、霧島たちは電話を終えターミナルに止まっている一台のバスに乗り込んだ。


 「行くわよコウジ」


 「おい、待てって」


 彼女にせかされ急いでバスに駆け込んだ。


 霧島とマネージャーは二人並んで運転手の後ろにある席に座っていた。


 俺たちはバスの一番後ろの席に座って霧島たちを見張ることに。


 三条病院行きと書かれた車内の電光掲示板。


 バスの中はかなり空いていて、他にいる乗客は婆さん二人と高校生の男子が一人。


 「いい?霧島と佐鹿原は昔から友達で他にも須藤、佐野というふたりの友人がいたわ」


 彼女は俺にしか聞こえないように小さな声で話を続けた


 「須藤は二人がデビューする前、佐鹿原と付き合っていて佐鹿原が死んだ半年前に死んでいるの。


 背中をナイフのようなもので一突きされていて、通り魔に殺されたそうよ」


 「お前はそれが影男に殺されたんじゃないかと思っているんだな?」


 「その通り。で、今その四人で生きているのは霧島と佐野。佐野は二週間前にバイト先から


 帰宅途中に工事現場を通りかかったときに工事用の鉄パイプの足場が崩れるという事故に


 巻き込まれて入院している。」


 「それは何か関係していると思うのか?」


 「まだ分からない。でも佐野が事故にあったときは夜遅くでその工事現場には


 誰も残っていなかった」


 「足場が崩れた理由が分からないんだな」


 「そういう理由(わけ)で霧島だけが普通にしている。霧島を追えば何か見つかるはずよ」


 相棒が霧島を追う理由を聞いた10分後くらいだろうか


 バスは病院の前のバス亭で止まった。


 「ここで降りるみたいね、行くわよコウジ」


 どうせ佐野の見舞いかなんかだろう、追ったところで何もないんじゃないかと思ったが


 ここは彼女について行く他あるまい。


 俺たちは霧島を追って病院へ入った。


 ここにネタがあればいいんだが・・・・・

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