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デスノートを拾った動画配信者

作者: 黒髪

 動画配信者はデスノートを拾ってしまった。

 まだ使用していないので、本当に効力があるのかは分からない。

 だが、拾ったときから謎の死神が見えている。他の人には見えていないらしい。自分にしか見えないらしい。本物だと思っていいだろう。


「ぷはぁー。早速、今日のコメント欄チェックでもするかー」


 動画配信者はパソコンを開き、動画サイトの確認をした。


『今回の企画もクソつまらなかった。動画投稿辞めろ、ゴミ』

『マジでさ、毎日投稿してもクオリティ低いからやめろよ』

『お前みたいなゴミが頑張っても無駄だって』

『面白い動画は面白い企画から生まれる。もうやめろ、才能ないぞ』


「くっそたれがぁ!?」


 毎度送られてくるアンチ共のコメント。

 もう既に、名前も住所まで判明されている始末。

 今宵も怒りを燃やし、動画配信者は机を力の限り叩きつけてしまった。


「面白い動画は面白い企画から生まれるか……まぁ一理あるな」


 冷静に読み返してみれば、案外使えるコメントもあるではないか。

 面白い企画を思いつけばいい。ただ、それだけでいいのだ。

 動画配信者の目には、今日拾ったデスノートが映った。


「せや!! これ使えば……面白い企画が生まれるかもしれない」


◇◆◇◆◇◆


「見とれよ……アンチ共。お前ら全員俺のファンにしたるわ」


 動画配信者は配信を開始した。

 数千人単位ではあるが、視聴者が集まってきている。


「実はですねー。オレ、デスノートを拾いました。げへへへへ」


『デスノート?』

『こいつバカかよ』

『マジで?』

『漫画の読み過ぎで頭おかしなっとるちゃうか?』

『証拠見せろ。話はそれからや』


「そうやな。お前らに見せたるわ。オレのデスノートを」


 動画配信者がカメラに向かってノートを見せると。


『マジで草』

『やべぇー。マジモンやん』

『誰かの名前書いて』


「えー。今から視聴者の皆さんからコメントをもらいます。そのなかで、最も多くの名前を付けられたひとをノートに書きます。これマジです。ほんまに、今日誰か死ぬで。げへへへへへへ」


 コメント欄の勢いが凄くなってきている。

 デスノートを拾ったということで、SNSのトレンドに乗ったのだろう。

 その勢いは留まることを知らず、数千人から数万人単位になった。


「オレはね、ほんまにウソだいっきらいやから。マジでやるで。ただ、警察や司法も動けへんで。なんでかって。デスノートみたいなもんはあらへんもん。それに、今、オレは外国おるねん。捕まるわけがない。証拠もないし」


 動画投稿者の言葉に、続々とコメント欄が盛り上がっている。


「世の中にはね、今とっても悪い奴います。お金いっぱい持ってて、若い娘に悪いことばっかりしてる奴等とか。そいつら全員倒して、良い世界をオレは作りたい。それだけやねん。ただ、オレの独断でノートに名前書いてもおもろないやん? だから、視聴者に誰を殺すかは任せようと思う」


 視聴者目線で語る姿勢に、動画投稿者への好意を示すコメ欄。


「おいッ!! 聞いてるか、利益権力者ッ! お前ら全員肩震わせて待っとけよ。いつ自分の名前が書かれるか、怯えててください。まぁー全員、最終的には殺そうと思ってるやけどな。げへへへへへへ」


◇◆◇◆◇◆


「どうやら結果が出たみたいやで。でも、やっぱり今日は、初回やからまだ一人しか殺さへんで。一位やった奴だけや。オレの怖さを、オレの恐怖をお偉いさんたちが少しずつ理解するのが楽しいんやろ」


 動画配信者はコメント欄に表示された名前ランキング10位から発表することにした。一位を最後に発表することで、視聴者を楽しませるためだ。


『はやく、一位を発表しろ』

『ランキングとかいらん。マジゴミだろ』

『さっさとしろ。遅いんだよ、ゴミが』


「まぁまぁーみんな。落ち着けって。世の中の悪を一掃するのは、これからやで。まだまだ楽しみは山積みや。初回ぐらいゆったりしようや」


 動画配信者は、二位まで発表を述べた。

 残るは一位のみ。コメント欄も盛況していく。


「第一位の発表前に、視聴者から面白いコメントあったで。死因を決めさせてほしいって。お前らほんま、ナイスや。死因を決めたほうが、本当にノートに書いた奴が死んだとき、ワクワクが止まらんもんな」


「で、俺が一番面白いと思った死因はこれや!!」


 動画配信者は声高々に宣言した。


「ノートに名前書いた三十秒後に爆死や!! トマトみたいな真っ赤な血を炸裂して、部屋中べちゃべちゃで死んでもらうで。ほんま、加虐性ヤバイけど、これは全部全部復讐やね。今までの仕返しや。待ってろよ」


「あと、もう一つ。面白いアイディアもらったで。第一位の名前は、プリンターで直接ノートに印刷してからの発表や。オレだけ先に誰か知ってても、面白くないやろ。集計結果は既に出てるし、残りはあと少しやで!!」


「さて、皆様お待ちかねの第一位や。ほんま、ここまでお待たせさまやで。全員覚悟はいいか。それと、画面の向こうで、ビクビクしている悪い政治家や、金にブイブイ言わせてる特権階級民。楽しみしときや、次はお前らの番やで。それでは、映なる一発目の犠牲者は————」


 動画配信者は、第一位の集計結果を配信上で表示させたのだが。


「——えっ???? ど、どういうことだぁあぁぁぁ? えっ? うそやろ……うそやろ……ど、どうしてや……おかしいやろ……こ、こんなん、おかしいやろ……こんなのおかしい……ふぁ? お、お前ら……」


 第一位は、動画配信者の名前だった。

 既に、本名が知らぬ者の手により、判明しているのだ。


『えええええええええええええええッ!?』

『衝撃的な展開でまじ草ァ』

『最初の犠牲者、お前やん。マジワロタ』


「ま、待って……待ってええええええええええええええええええええ。うそやろ……こんなん……ないて……こんなのないて……こんなの……こんなのおかしいやろ……こんなのおかしすぎるやろ……お、おまえらああああああああああああああああああああああああああああああああ。ふざけるなあああがいひおだひお」


『さっさと死ねよ』

『死ぬところ楽しみすぎるんだけど』

『マジで死ぬのかな? てか、爆死とか草』


「ざっっけんなよ。お前ら……お前ら……どうして裏切ったんや。そんなのなしやろ……そんなん、卑怯すぎるやろ……お、お前ら……お前ら……な、なめやがって……舐め腐りやがって……マジで……マジで……」


 ——ブゥハァッ!?


 何かが弾けた音が起きた瞬間、配信画面は真っ赤に染まった。

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