濡烏(ぬれがらす)
毎日が幸せな人、人生に満足してる人は見ないで下さい。
一時の感情身にあらず
偽の友情三度まで
遂に倒れて希死念慮
幽明境を異にしても
重畳かつては思いもせず
羽は摘まれて地に落ちる
眠剤余剰に酒仰ぐ
濡烏の炭火をつける
やがて燻りて瞼閉じ
次に覚めるは息絶えて
地獄に行きてこの一世
されとてあれが青い鳥
二つ並びし練炭の
死を飲む能は機能せず
落ち行く意識
降る烏
(用語解説:
希死念慮→死にたいと思う気持ち
幽明境を異にする→死に別れること
重畳→満足、幸せ
眠剤→睡眠導入剤。ベゲタミン、コントミン、ラボナなど
濡烏→烏の羽のような艶のある黒色 伝統色のいろはより
青い鳥→幸せの印である鳥
練炭→密閉した空間で燃やすと一酸化炭素が発生し、やがて一酸化炭素中毒になって体が動かぬまま死ぬ。人気の自殺法)
実は最後の連は掛詞があります。
「死を飲む」の「死を」は一酸化炭素の「CO」が、「飲む能」の「能」は「脳」が、「降る烏」の「降る」は「狂る」とそれぞれ掛かってます。
練炭自殺の死因は一酸化炭素中毒で、脳に酸素がいかなくて死にます。なので、COを飲む(吸う)と脳は機能しませんよって事です。死を飲むは単純に死ぬという考えを飲む(抑え込む)機能が無いですよって事です。
降るは落ちるって意味で、狂るは狂うという意味です。自殺って普通の人から見たら気が狂ってますよね。