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火星地球の事情1/3

 地球の人口が100億に近くなるにつれ、環境が本格的に敵になりつつあった。


 地球環境の悪化、一般的にはそう発表されているが実際はもう少し複雑だ。

 そもそも生物が生きる為に環境を変えるのは当然のこと、人間だけではない。


 単細胞でさえ環境が整えば異常に増殖する。

 虫もそうだ、どんな計算をしても〈蝗害〉と言う自然災害を抑えられない。


 イナゴの様に美味しい佃煮などで食べられるものでなくバッタの様な食べにくい虫が増殖してしまうのは何かの意思を感じてしまう。

 バッタは普段『孤独相』という状態で無害な虫であるが何かしらの状況変化により『群生相』と言う状態になりその体色も変え、体質を変え、増えやすく、遠くに散布し大増殖して農作物を食い荒らす。

 蝗害は自然現象、生物の本能『増える』と言う本能を逆(・)手(・)に(・)取(・)っ(・)た(・)病気の様なものだ。

 逆手に取った、つまり蝗害はバッタにとって必ずしも益になることばかりではなく、その種の中には蝗害後絶滅してしまったバッタまでいる。


 病気とは人間が勝手に定義するものでありバッタにとっては『群生相』の状態は絶滅の危機を孕んだ病気なのかも知れない


 これは知的生物を自称する人間にも当て嵌まる。


 人間とは自己研鑽を尊び、環境に適応して来て、ただ増えすぎただけの生物だ。

 それを文明と呼び、それを正義と呼び、それを平和と呼び、それらを理性と呼ぶ。


 だが数を増やせばそれだけ人間達は物理的にその土地を移動しなければならなくなる、グローバル化とも言うがその行いは病原菌の伝染をリスクとしている。


 しかし人間は研究し薬を作り、ワクチンを作り、栄養学による免疫力の向上でそれらに対抗した。


 だがそれらの抵抗は地球の呪いの様なシステムによって無意味になる。


 〈クールー病〉〈ヤコブ病〉〈スクレイピー〉

 この病気になると脳みそに穴が空き人間の場合笑いながら死ぬ。


 ウィルスや細菌でもなく抗体の痕跡もなく免疫反応もない。

 最初は感染性ではなく遺伝性疾患だと思われた。


 結果から言うとこれらは〈プリオン〉と呼ばれる病原体を持つ感染症である。


 その正体は核酸と言うDNAを介さず増えることのできる異常タンパク質である。

 そもそも宿主のDNAの中にこの異常タンパク質を生成する機能があり、外部から摂取することにより正常なタンパク質が癌細胞の様に異常な性質を持つものになってしまう症状なのだ。


 摂取してしまう原因は様々だが発症してしまう主な原因は共食いである。


 これの脅威は病原体の正体がタンパク質である為、熱処理が通用せず、放射線でも死なない、しかもワクチンも作れず、免疫力も無意味である。


 感染したら致死率100%と言われている。


 このタンパク質はバッタの群生層の様にその性質に異常をきたす事により体内で増えてしまい結果的に脳の穴を開ける、生物でない体に必要なタンパク質の為、防ぎようがない。


 だが対抗手段がないわけでもない、共食いをさせない、またはしなければ良い。

 一例として牛の肉骨粉を牛の餌に混ぜその餌が原因で牛のプリオンを摂取、感染、人間もその牛肉を食べてヤコブ病になる。

 分かりやすい有名な呼称だと狂牛病だ。


 これらは人肉食の文明のある民族や胎盤食をする哺乳類の特徴でもあるのだ。


 つまり対策を立てて結果的に共食いをさせないのとしないのを徹底すれば感染の確率は低くなる。


 だが。


 人間は数を増やしすぎると無意識的に共食いをしてしまう生き物だ。


 ワクチンがいい例である。


 そもそもワクチンとは免疫を持った生物のタンパク質 (主に鶏卵)が正体である。

 そのタンパク質に異常タンパク質が存在すればもちろん感染する可能性は出てくる。


 羊での話だが元々ダニを媒介とする別の病気を解決する為、羊の脳からワクチンを作り脳組織ごと投与し病を解決、しかしその脳細胞には異常プリオンに汚染されていて4万頭を救ったがそのうち数千頭がスクレイピーになり脳に穴が空いて死んでしまった。


 リスクは思いも寄らないところに出てきてしまう。


 だが人間用のワクチンにその様なものは使わないので感染リスクはもっと低いはずである。


 ただしゼロでない。


 地球は人間如きが考えもつかない方法でその数を調整する、人間もそれを本能的に感じ現在の地球環境を保全しようとする、特定の生物を人間の事情で絶滅させる事に嫌悪感を抱き循環させる事に快感をも得る。


 人間も結局は地球環境の一部だ。


 要は『地球環境を守ろう』などと言う手前勝手な御題目を掲げるのは人間の自惚れの証だ。

 守られるまでもなく環境は人間が邪魔になればいつでもバッタの様に絶滅させることができる『地球環境に適応しよう』が本当の実態だ。




 さて、ここからは一人の男とその小説の話となる。

 つまり逆を言ってしまえば上記の文面は現実に起きた事実である。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 此度の異世界転生劇の原作を作った原作者は卑屈な男である。


「ゴミの分別は無意味、だから俺はルールは無視してペットボトルを入れる。ペットボトルは石油原料で燃料になるからむしろエコ」


 そう言う主張を曲げず決して市町村のルールに従わない。


 子供の頃からそう言う気質で『同調圧力に屈したくない』と言う謎の反骨精神から事あるごとに相手の悪いところを指摘し、不快にし、行動が読めない人間というイメージを作っていた。


 ワクチンの摂取などにも従わずプリオンを例にしていかに危険かと言う事を安全性の話をしないで危険性の話ばかりをする、確かに間違いではないのだろうがそれは個人レベルの話では確率が非常に低いのだと言うのに。

 それにワクチンでなくても薬でもなんでもリスクはあるのは当然の話だ。


 要するに困った人間なのである。

 そんな性格であったからもちろん学校では小中高といじめに遭い (高卒)ガラの悪い人間達から殴る蹴るの暴行を受けている、だがそれでも彼は登校を拒否したりしない。

 相手の思い通りになったら癪だから。


 恐喝されても親の金を渡したりしない。

 自分の労働で得たものでないから。


 真っ直ぐすぎて周囲から反感を買う男だったのだ。


 しかし彼には才能があった。

 小説を書く才能。

 それを効果的に読者に見てもらう才能。

 物語の中の世界を無駄に細かく作ってしまう才能。


 最終的に彼は作品をアニメ化させるにまで至る。

 世界は才能を与える人間を選ばない。


 そして死後、ハミィの手によってその作品『CROSS×ROAD』は各方面の人間の目に渡り様々な二次創作作品を作られるに至る。


 因みにクソ長いサブタイトルはハミィによって削除された。

 読者間ではさらに縮めてクロックスと呼ばれている。


ちなみにソース(情報源)はネット掲示板である。


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