表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と未来でまたいつか  作者: 小荻井ユイカ
1/2

時間屋って知ってる?

 

「時間屋って知ってる?」


 不思議な出来事は、そんな噂話から始まったのです。


「え、何?時間屋?」


「そうそう。時間屋。え、聞いた事ない?今凄え噂になってるのに」


そう言う彼は胸あたりまである私の髪の毛を器用に巻いてくれている。


「時間屋って、時計屋さん?あ、わかった!写真屋さんとかだ。ね、当たりでしょ」


正面にある鏡越しに、どうだ!と指をさして言う私に、チッチッチッ、なんて人差し指を振る彼はいつも私を担当してくれるヘアメイクさん。当の私はと言うと、最近ではテレビにも出たりするようになったSKYというバンドのメンバーで。


小野千穂(おのちほ)さん、甘いねえ。時間屋は時計屋でも写真屋でもない。そのままだよ。過去現在未来。好きな時間が買える、時間を売ってる店らしいよ」


「時間を?そんなの暇な人が作ったお伽話だよ。そんなの買えるならみんな買ってるよ。そもそもそんなお店、どこにあるの?」


「それが無いんだってよ。強く強く望んだ人の前にだけ現れる不思議なお店らしいよ」


その言葉に、ああそういうパターンね、と乾いた笑いが出てしまった。強く望んでそんなお店が現れるなら、いくらでも強く強く望むよ、と心の中で悪態を吐いた。


さあできたよ、いってらっしゃいチホさん、と背中を叩かれたところで気持ちを切り替え、ただの小野千穂からSKYのボーカル&ギターのチホに変わるのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ