マッチングアプリの”ダメ男”たち 短編
私は約1年半に渡り、たくさんの男性とマッチングアプリで出会ってきた。
これから語る話は全て実話であり、実際に私が経験した話だ。
年齢や名前は架空のものとし、楽しく見ていただけたら幸いである。
まずは私の自己紹介をする。
私は20代半ばのアパレル勤務の女だ。
好きなタイプは坂口健太郎のような塩顔高身長イケメンで
マッチングアプリでも高身長だけは外せなかった。
今思えば高身長にこだわりすぎて失敗してきたんだと思う。
かなり毒を吐く場面もあるので注意である。。。
それではマッチングアプリのダメ男たちをぶった切っていこう。
Scence1『小藪千豊似の男』
*名前 小藪
*年齢 27歳
*身長 180㎝程
*特徴 小藪似
マッチングアプリを始めてから早い段階で会った男。
ここでは彼のことを小藪と呼ぶことにする。
彼の写真は節目がちの表情で、印象は着ていたセーターが可愛いな、だった。
その日は私のお仕事終わりに夜ご飯を食べに行った。
初めまして、は回数を重ねている今でも緊張する。
無事合流はできたものの、顔が小藪だった。
まあそこは許容範囲内。
それよりも私の好きなお寿司を食べようと、以前から話していたので気分はワクワクだった。
小藪「着いたよ!」
そこはなんと・・・100円回転寿司。
ん!!!????
初デートで回転寿司!?
いや、別にお高くとまる訳ではないよ????
美味しいよ、友達とはよく行くよ?
けどさ、でもさ、いや、ドヤ顔なんなの?
と内心思いながら、早く食べて帰ろうと決意した。
だがまだ事件は続く。
彼は土曜(19時すぎ)なのに予約をしていなかった。
発券機には42組待ちとの表示が。
発券してから彼の一言。
小藪「建物の周り散歩しようか」
・・・・・はい?
いやこっちは可愛くおめかしをして髪も巻いてヒールなんですが?きっつ。
なーんて言えるわけもなく
寒い冬の中、1時間ほど何もない道路を
目的もなく歩き回っていた。
足も痛いし話もつまんないし顔の表情筋疲れるし・・・
私も流石にしんどくなって車の中で待機することを提案した。
そしてやっとお寿司。
もうこんなにお寿司を待ち遠しく感じる事は最初で最後であろう。
でも、なんだかんだ私も女だ。
目の前にいるのは”どうでも良い人”なのに、可愛こぶって5皿でご馳走様をした。
そしてお会計。お財布は出すがお金は出す気はない。
なぜなら無駄な時間を過ごしただけだったからだ。
むしろお金くださ・・・おっと取り乱した。
小藪「500円で良いよ」
・・・・・?!
きっと彼の目にも映っていただろう。
驚きとドン引きの顔が隠しきれていない私の顔を。
そしてすぐに私はニコッと顔を戻し、お財布のの中身も見ずに
私「小銭ないなあ。ごめんね、ご馳走様です(>_<)」
だって無駄金じゃん。
てかさ 500円”で”良いよ じゃねーよ!
なんで、消費税は俺が払ってやるよ的な言い方なの?
なんで、50円でドヤ顔してるの?
とも言えずそのまま車に乗り家の近くのコンビニまで乗せてもらった。
小藪「次、いつ遊べる?」
こいつ肝が座ってんな。もはやあっぱれだわ。
と感心をし、また連絡すると言って私は帰った。
二度と2人の予定が合う事はなかった。
小藪終了。
Scence2 『新田真剣佑似の男』
*名前 新田
*年齢 29歳
*身長 176㎝程
*特徴 新田真剣佑似
題名から見て当たりじゃん!と思うかもしれないが
もちろんこちらも残念な男性であった。
アプリの写真を何枚か見た時に真剣佑に似ていると
テンション爆上げしていたことを今でも覚えている。
私はアプリの男性と会う時は同じ職場の店長に相談して決めている。
店長は女性で恋愛経験豊富でよく2人でアプリの話しで盛り上がった。
そしてその店長も真剣佑に似ていると一緒に喜んでくれて私の背中を押してくれた。
この日も私は勤務後に男性と会った。
先ほどの小藪の二日後だった。
今日は公開したばかりのミステリーホラー系の映画を見ようと約束をしていた。
私はホラーや不思議怖い話などの映画が大好きである。
見たかった映画と真剣佑。私は胸が高まった。
そして目の前に車が停まり、私は緊張しながら声をかけた。
私「こんにちは」
運転席に乗っていたのは真剣佑に似ても似つかない顔で
一瞬乗る車を間違えたと思ったが彼は初めましてと返答があった。
この時の私の心の声は”絶望的”だった。
顔面詐欺というのはこういうことなのかと思い知った。
そしてダサい。全てがダサい。
髪はボサボサでセットの仕方がわからないから
とりあえず白のキャップ(大きな英字プリント)をかぶった感じと
服はライトグリーンのチェックのシャツ。
そしてベージュのチノパンと顔は青髭に眉毛がゲジゲジ。
私はもう帰りたいと会って10秒で思った。
そうとも言えず車は走り出し映画館へ・・行く予定だった。
彼はすぐこう言った。
新田「俺さ、今日見るような映画苦手なんだよね」
・・・・は?
だったら連絡とっている時に言えよ。
というか今言うって事は映画館のチケットとってないんかよ。
と私は映画を楽しみにしてた分心底腹が立ったが
そこはぐっと抑えてご飯だけにしようと提案した。
そして早く帰ろうと頭をシフトチェンジさせた。
新田「何が食べたい?」
私 「うーん、お肉かなあ。でもお魚もいいし・・・」
新田「あ!じゃあお寿司にしよう」
・・・まあまあ二日前に食べたけどお寿司ならすぐに帰れるからいっか。
そう思い、私の家の方面にあるお寿司屋さんにすることにした。
私 「あ!ここ最近できたお寿司屋さん!ここ行きたい」
新田「回らないお寿司・・・って書いてあるけど・・・」
私 「回らないけど100円寿司だよ」
新田「え!そうなの?ここにしよう」
みなさんならこの会話のダメなところわかると思うが、
回らない寿司=高い
だが100円寿司ってわかった瞬間に入る行為はドン引きだ。
いやかなりドン引きをした。
とは言いつつ行ってみたかったお店だったので我慢した。
新田のヤバい話はまだまだこれからである。
もう少しお付き合いください。
お寿司を注文するやいなや、新田チェックが始まった。
新田チェックとは?
※新田の質問にクリアしないと彼女候補にはならないこと。
何様だよ。この顔面詐欺師が。
〜新田チェック〜
Q1 今まで何人と付き合ってきた?
私 「(かなり少なく見積もって)4人かな。」
新田「多っ!俺なんて29歳なのに3人だよ?」
いや知らなくね?
でもその顔とトークスキルで3人も彼女がいてすごいよ、逆に。
4人で純粋じゃない認定された私は本当の人数言ったらどうなるのだろうか・・・
Q2 お給料は自分のために結構使う方?
私 「ん〜、特に物欲もないので使うとしても友達とご飯くらいですかね?」
新田「それは良いね。将来も安心だ。」
何これ、結婚面接なの?
こっちから願い下げなんだけど。
Q3 貯金はいくらあるの?
私 「・・・金額は言えませんが、ある程度は毎月貯金していますよ。」
新田「じゃあ大体200万とか?」
私 「いやいや・・・あの・・・(苦笑い)」
新田「初対面で貯金額とか言えないか」
いやいやいやいや、普通に貯金額の話なんてしないでしょうが!
というか結婚したい感じを醸し出さないでくれ。しんどいわ。
このように3つの質問を答えてお店をあとにした。
車に乗ってコンビニまで送ってもらい早く帰りたかった。
新田「これからどうする?」
私 「近くのコンビニまでお願いします」
新田「え??もう帰るの?」
え?まだ帰らないの?と思い時計を見たらまだ20時半だった。
居心地が悪すぎて時間が全然経っていなかったのだ。
私 「はい、もう帰ります。行きたいところないので。」
こんなに初対面の人にはっきり断られたら大体の男性は従うのだが
新田は違った。
新田「俺、夜景いに行きたいんだけど」
ええっ・・・
私新田チェックに合格していた!!!!!!!
最悪だ、なぜ合格したのかわからないけど
とりあえず夜景なんて行きたくもないし気持ち悪い。
初対面で夜景誘うとか気色悪いしかないんだけど。
私 「明日も朝早いし、ここら辺夜景スポットもないですよ」
新田「朝は強いから大丈夫。夜景スポットなら港のほうにあるじゃん。」
うっわ、こいつ夜景スポット調べてきてやがる。
しかも提案された夜景スポットはひと気も少なく、
今日初めて出会った人と行くにはかなり危ない場所であった。
下心が丸見えキモださ男に私は
私 「私、夜景とかイルミネーションとか本当に興味ないし嫌いなんですよ。
女の子がみんなそういうの好きだとは思わないでくださいね。」
と言ってやった。もう限界だった。
間違ってもお前とだけは無理だと心底思った。
だが彼はそれでも行きたいと言い張った。
私はまじで帰りたい事をそれなりの顔で伝えた。
いつもより少し遠いコンビニで降ろしてもらい、
二度と会う事はないさようならをして
新田終了。
いかがでしたか?
ここに記さなければいけないダメ男はまだまだ尽きない・・・・。
次回も近々投稿するつもりなので見ていただければ幸いである。