第15話 放課後
皆に帰る用意をして、校門に集まるように言われ向かった。校門にはもう皆が着いていた。
「遅かったねー。何かあったのー?」
「すいません。ちょっと用意に手間取っちゃって」
「そーなんだー。皆も揃ったしー早く行こーよ」
「行くってどこに?」
「親睦会を兼ねてどこかへ行こうと思って、私が皆を呼んだのよ。一応皆が集まってから行く場所を決めようと思ってたんだけど行きたい場所ある?」
涼宮さんの問に海斗くんが返す。
「俺はファミレスとかで良いと思ってるけど」
その案に皆が賛成し、近くのファミレスに行くことになった。
ファミレスに入り、席に座る。そして注文を済ます。
「俺、話したいことがあんだけど」
そう神崎が言い、今までの言動が父親の能力のせいであることを話す。皆はその話を聞くが、あまり興味が無いようで神崎グループの社長令息であることに驚いていた。神崎グループはこの国を代表する大企業。当然の反応だろう。皆が神崎にどんな料理をたべているのか?とかどんな家に住んでいるのか?とか、質問をしている内に料理が運ばれてくる。質問に一区切りが付き、料理を食べ始める。
「私、気になることがあるんだけど。なんで柊君ってそんなに強いの?」
僕は、両親がテロで死んだこと、じいさんに拾われ育てられたこと、じいさんに鍛えて貰ったこと、能力のことを話した。
「今、能力は使えるの?」
「努力かな。人間、やれば何でも出来るんだよ」
涼宮さんの問いに言葉を濁して答える。努力はしたし、間違ってはいない。能力を使おうとするとじいさんを殺してしまった事を思い出し、吐いた。それを克服しても能力を少しでも使えば暴走しかける。その度に連やお姉ちゃんに気絶させてもらった。暴走しかければ、体が引きちぎれるかのような痛みが1時間は続く。それを2週間ぐらい続けてようやく使えるようになった。よく頑張ったと自分を褒めてやりたい。
その後、1時間ぐらい話してから解散した。
家に帰り時計を見ると、16時だった。連が、テレビでニュースを見ている。テロが起きたようだ。この時代、何処でテロが起きるか分からない。何を考えて人を殺しているのだろう。是非知りたいものだ。CTFS隊員が人々を守るため死ぬのは、それが職務であり、義務だ。仕方ないと言えるだろう。だが、無関係な人々が死ぬのは怒りを覚える。そんなことを考えていると、お姉ちゃんが帰ってくる。
「ただいま。今日は疲れたよ〜」
「生徒会長の仕事?お疲れ様」
「そうだよー。いつもより仕事が多くてね」
「確か、連は副生徒会長だよね。仕事を分担とかしないの?」
「私のサインが必要な書類が多くて。サインが要らない書類は連とか他の生徒会メンバーがやってくれてるからマシだけど」
錦学園の生徒会長、その肩書きはただの生徒会長ではない。生徒の枠を超えた権力、責任が伴う。それ故に重要な仕事は、他の人に任せられない。
「よし。そろそろ、ご飯作るか」
今、この家では3人が分担して家事をしている。連は料理当番だ。昔、お姉ちゃんが料理を作った時は食材を丸焦げにしていた。それ以降、お姉ちゃんに料理を作らせるのは禁止となった。正直言うと、僕も料理は得意という訳では無い。必然的に連が料理当番となった。連の料理は下手な料理店より美味しい。
「何かたべたいものある?」
「私、早く寝たいからすぐ作れるものがいい」
「えーと、そうだな。じゃあ、うどんにするか。それなら早く作れる」
その後、15分ほどして食卓にはきつねうどんが並んだ。
「「いただきます」」
言い終わると同時に1口目を食べる。温かい。言うなれば、お母さんの味といったところだろうか。優しい味がする。他愛も無い話をしながら食べている内に3人とも食べ終わった。
「「ご馳走様でした」」
食器を洗い、お姉ちゃんは「私、先に風呂入るね」と部屋を出ていった。明日も学校があるから、用意のため部屋を出る。といっても、授業はないので必要最低限の持ち物で事足りるだろう。
お姉ちゃんが風呂を出たので、入った。明日は学校、2日目。遅刻しないように早めに就寝した。
随分と長く投稿していなかったことは、ご了承ください。リアルが忙しくなっております。次回以降も、時間が相手いる時に書いて投稿しますので、見てくれると幸いです。