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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第9章 おばちゃん、家族(?)たちと遭遇する

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第74話

 翌朝は早めに朝食をとると、すぐにギルドへと向かった。

 ギルドの中は、オークの情報を知った冒険者たちでごった返しているようだ。あちこちから、『オーク』という単語が聞こえてくる。


「あっ、リンドベル様!」


 最初に声をかけてきたのは、カウンターの奥にいたエイミーさん。うっすら目の下にクマさんが居座ってる。昨夜から今朝にかけて、色々あったのかもしれない。

 エイミーさんに勧められて、私たちはカウンターの端っこの方の席に座らせてもらった。オズワルドさんとカークさんは、私たちの背後に立って壁状態。


「お待たせして申し訳ございませんっ。オークの精算のほうは終わりまして、クエストの報奨金と合わせてご用意してあります。こちらは現金でのお渡しでよろしいですか。それとも、お口座がありましたら、そちらに振り込ませていただきますが」

「そうだな……ミーシャ、口座に振り込んでもらうかい?」

「え? 口座?」

「ああ、一応、現金以外にも、ギルドにお金を預けることもできるんだ」 


 うわ、それ知らなかった。うーん、ポツポツ、知らないことがあるなぁ。自分で意識しないと気付かないことが意外に多い。


「口座持ってないです。それって、すぐに登録できるんですか?」

「あら、最初の登録の時とかに、説明受けませんでした?」

「あー、はい。なんか混んでて、さっさと終わらせちゃったから、その話はされませんでした。初めての報酬も現金でもらっちゃったし……あっ! イザーク様! そういえば盗賊の報酬、受け取らないで、ここまできちゃいました!」


 イザーク様たちと出会ったばかりの時に捕らえた盗賊の報酬のことだ。いくらになったかまでは覚えてないんだけど。アルム様からのお小遣いがあるせいで、全然、お金に困らないせいか、余計に気にならなかったのよねぇ。


「うん? ああ、あの報酬だったら時間がなかったからオズワルドに受け取りに行かせてあるから大丈夫」

「はい。私の口座に一旦預からせて頂いております。国に戻ったら、お渡ししますね」

「わ、すみません……えと、口座ですよね。一応、登録お願いします」

「かしこまりました。ギルドカード、お借りできますか?」


 私のカードを渡すと、カウンターの奥の方へ入っていく。中にどんな機械があるんだろう、と興味津々で覗き込んでみても、全然わからなかった。


「お待たせしました。ミーシャ様の口座が出来ましたので、皆さまのと合わせて精算させていただきますね」


 結局、氷漬けオークの買取は四等分、討伐の報奨金はイザーク様をのぞいた三等分ということになった。それでも一人頭の金額がかなりになったので、ちょっとだけホクホク気分。これから先、アルム様からのお小遣いがなくなってもいいように、貯蓄しないといけないかも。でも、今は、リンドベル領に向かうことが先決なんだよね。

 だけど、その前に。


「それでオクトの方との話し合いはどうなったんだ」


 イザーク様の厳しい声に、エイミーさんもビクッと肩を竦める。うん、ちょっと怖いよね。でも、それだけ状況は甘くないってことなんだけどなぁ。

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2022年4月8日
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おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

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おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

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