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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第9章 おばちゃん、家族(?)たちと遭遇する

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第72話

 バタバタとギルドの中が慌ただしい。さっきのオークに関する情報が開示されたからだ。私たちはすでに応接室から解体窓口へとやってきて、山ほどの氷漬けオークを積み上げてしまった。これ、自然解凍またないとダメなヤツかも。

 一緒に来てくれたエイミーさんと、受け付けてくれたおじさんたちは、口をあんぐりとあけて固まってる。


「い、一応、数えたところ三十二体ございました。こちら、全て買取でよろしいでしょうか」

「ああ……そうだな……その前に。通常のオークの討伐クエストはあるよな。オズワルド、ミーシャとパーティ登録して受けてこい。ミーシャ、ギルドカード」

「はっ」

「え?」


 二人の会話についていけてない私。それでも指示された通りにギルドカードを手渡すと、オズワルドさんはすぐに離れてく。

 どういうこと? と思っている私に、イザーク様は笑みを浮かべながら説明してくれた。


「オークの討伐はCランク以上推奨なんだ。だから、Gランクのミーシャだと受けられない。しかし、オズワルドとカークは、ああ見えてBランクなんだ。彼らとパーティを組んだ形にすれば、ミーシャも討伐実績をつけてもらえるんだ。せっかくの機会だからね。実績とともに報奨金も貰ってもいいだろう」

「おお、そ、そうなんですね……あれ? イザーク様は?」

「私は残念ながら冒険者登録はしていないんだ。近衛騎士団に所属している者は、冒険者登録してはならない規則になっててね」

「ほえぇぇぇ」


 そういうもんなのか、と感心しているうちに、オズワルドさんが戻って来た。早い。


「リンドベル様、それでは」

「ああ、全て買取で構わない。同時に討伐クエストもクリアで構わないな」

「はいっ」


 イザーク様に念押しされたエイミーさんは、カクカクと頷く。


「たぶん、これでミーシャ様はEランクまで自動的に上がることになるかと」

「おおう……それは、なんというか」


 特別ランクを上げたいとかいうのはなかったんだけど。まぁ、低すぎても舐められるか。

 結局、オークは自然解凍待ち、ということになって、解体後に精算という形をとることになった。


「た、たぶん、明日には報奨金をお渡しできるかと」

「わかった。オクトの方とは連絡ついたのか」

「は、はい。今、諸々調整中のようでして……」


 困ったような顔で対応するエイミーさん。中間管理職みたいで、少しばかり可哀相な気もする。


「わかった……それでは詳細が決まり次第教えてもらえるか。さすがに、あの状態で放り出しては行けぬ。ついでに、できれば近くの宿屋を紹介してもらえると助かるんだが」

「はいっ!」


 エイミーさんは大きな声で返事をすると、背筋をピンと伸ばして飛び出してった。


「……あんまり苛めないであげてくださいね」


 ぽそりと言うと、イザーク様はなんとも人の悪そうな顔で笑みを浮かべるだけだった。


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おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

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おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

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