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第5話

 浄化とは、ダンジョンなどから漏れる高濃度の魔素を減らしたり、魔素溜まりと呼ばれるモノを消し去る能力のことを言うそうな。

 ちなみに、魔素溜まりから、魔物は生まれてくるらしい。あとは普通に動物も影響を受けて、魔物に変わっちゃうのもいるそうだ。だから、浄化しなくちゃいけないんだそうだ。


「美佐江の場合、存在だけで中程度の都市の浄化が可能だと思うわ」


「ひょ、ひょえ~」


 スキルとして浄化をしたら、下手すると国ごと浄化できちゃうかも、だって。

 そんなことを言われても、想像できない。


 ……でも、私、あっちで死にかけてなかったっけ?


 元の世界での最後の記憶は病室で、息をひきとる寸前。

 そして召喚されてすぐ、痛みで目が覚めたけれど、やっぱり息苦しくて倒れ込んでた。

 私は元の世界で死んだのではないの?


「ああ、それはね。召喚によって一部身体が改変されたのよ。普通の状態だったら、見た目が若返っていたり、体力とかの能力が付加されたりするんだけど、美佐江の場合、死にかけの状態で呼ばれたから、そういった付加されるのが病気のほうを改善する方に向いたのね。それだって、死ぬ寸前だったんだもの、少しマシ、という程度よ」


 結局、召喚直後に治癒士が呼ばれて、病気のほうは改善しているらしい。

 こっちには治癒魔法があるから、大概の病気は治すことが可能なのだそうだ。

 すごい。魔法があれば死亡率とか抑えられるってこと?と思ったけど。


「でも、治癒士を頼むにも高額の治療費がかかるの。だから、一般庶民には手が届かないの。あなたの場合、王室お抱えの治癒士が呼ばれたようだけどね」


「マジっすか」


「マジマジ。だから今、あなたは王宮の一室で寝ているはずよ」


 アルム様は、綺麗に整えられていた眉を八の字にして、申し訳なさそうに謝った。


「本当なら、転生しても、前世の記憶もなく、他の人よりも高い能力を持つだけのはずだったのよ」


 世界同士の距離が遠ければ遠いほど、文明レベルに差が出てくる。

 前世の記憶が消されていたとしても、能力の高い者が生まれる傾向にあるらしい。

 そう、創造力とでもいうのか、新しい技術とかを生み出す力が大きいそうだ。

 だから、その能力の高さを持って、少しでもアルム様の世界の文明の底上げを計りたい、というのが本来の目的だったとか。


「それなのに、なんで聖女として呼ぶのかなぁっ。このままじゃ、美佐江、王家に飼い殺しよっ」

「か、飼い殺し!?」

「そうよっ、あいつらは、自分たちの国だけを浄化させるために、美佐江を呼んだんだから」


 うえぇぇ。

 じょ、冗談じゃないんだけどっ。

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