表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第7章 おばちゃん、国境を越える

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/420

第48話

 山道を抜けると広い平原が広がっている。

 どんよりとした空の下、私はイザーク様に抱えられるように馬に乗っていた。 


 何度か休憩を挟んでも乗合馬車には乗らずに、護衛の冒険者のアンディさんとメロディさん同様に、馬で移動することになってる。

 というか、イザーク様が離してくれない、というのが正しい。


 馬車に乗り込んでいる乗客たちの視線はそれぞれ。おばさんたちは羨ましそうな。おじさんたちは、生温い視線。おじさんたち、なんか勘違いしてない?

 アンディさんとメロディさんに至っては、上手い事やったな、って感じで、逆にイザーク様たちにお任せします、とか言ってたし。まぁ、確かに三人はギルドの職員からの覚えもよかったものね。 

 それよりも、全然乗合馬車を使ってないんだけど、その分の代金は返してもらえるんだろうか。貧乏性と言われようが、アルム様のお小遣いであろうとも、無駄遣いは嫌なのだ。


「次の街についたら、彼らとは別行動になりますので」


 耳元ですまなそうに話すイザーク様。低音のいい声にちょっと背中がゾクっとする。


 三人に囲まれて問いただされた後、彼らのことを鑑定させてもらった。だって、彼らが本当のことを話しているかなんて、わからないし。といっても、フル鑑定まではしなかった。そこはそれ、プライバシーってもんがね。

 それで、イザーク様は本当にリンドベル辺境伯の弟さんでした。部下のオズワルドさんとカークさんの様子を見れば、たぶん偉い人なんだろうな、っていうのは予想は出来たけど。まさかの、関係者だったっていうのは予想外。なので、一応、「様」扱い。なにせ、お貴族様だもんねぇ。

 そのうえ、アルム様ってば、私の母になるはずだった、イザーク様のお義姉さんにまで連絡してくれているとか、至れり尽くせりでありがたい。

 とりあえず、お互いが探してた相手っぽいのは理解できたので、少しだけ警戒するのを緩めることができたのはよかった。


 一方でイザーク様たちも、私を『聖女』と認識しちゃったせいか、私への態度もどこか敬うような感じに変わってしまった。さすがに、他の乗客たちの前ではないけれど、話し方も敬語とかになっちゃってる。実際、私よりもだいぶ年下だから違和感はないっちゃないけど、普通に第三者から見たら、変だろうなぁ、とは思う。

 詳しい話は、次の街で乗合馬車から離れてから、という話になってるので、それ以上は聞けていない。何度か野営をしたけれど、周囲の状況からも落ち着いて話せなかったし。


「街が見えてきました」


 少し嬉しそうなイザーク様の声に、私は前の方へと目を向ける。

 まだ少し遠いけど、城壁っぽいのに囲まれた姿が微かに見えてきた。結構、大きそうな街だ。久しぶりに宿屋で寝られるかもしれない、と思ったら、少しだけホッとした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】
2022年4月8日
モンスターコミックスfより発売


おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

【書籍化】
ツギクルブックスより発売中

おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=791464659&s
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ