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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第6章 おばちゃん、街道を旅する(2)

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第42話

 馬車が止まる前に、おばさんがいきなり飛び降りた。

 えぇぇっ、おばさん、運動神経良すぎ。実年齢の私と同い年なのに。私だったら、完全にこけるわ。


「お、おい、そんなにか」


 その勢いにおじさんや、他の乗客もどこか呆れたような、失笑をもらしたけど、たぶん、それ、違うからっ!

 私も後を追うように馬車から降りて、後ろから護衛の二人に声をかける。


「アンディさん、メロディさんっ」

「何?」

「どうした?」


 まだ気付いてないのか、二人は御者のおじさんのところで暢気に話してる。もうっ! いつの間にか、あのおばさんの姿、もう見えないしっ。


「敵です!」

「はっ!?」

「何ですって」


 私の声に反応したかのように、前方の山の斜面からと、後方からも武器を持ったヤバそうな男たちが現れた。ちょっと、この人数じゃ冒険者二人じゃダメなんじゃないの!?

 私も完全にパニクってる自覚あり!


「おらぁ、馬車の中に入って……」

「ストーンバレットッ!」

「ギャッ!?」

「いてぇっ!」


 相手の言葉を全部聞く前に、土魔法を発動させる。

 前から頭ではイメージトレーニングはしてた。火魔法とか風魔法だと、皮膚が焼けた匂いとか、血が出たりして嫌だなって思った。だから、石礫みたいなのだったらまだマシかなって。だけど、初めての攻撃魔法に、加減なんか出来ない。

 後方の敵全員に向けて石礫を投げつけたら、前列にいた男どもには見事にクリーンヒット! でも後方にいる奴らには、かすり傷しか与えられてないみたいで、倒れた奴らの間から、ケガの浅い奴らが出て来ようとしてる!


「てめぇっ!」

「ガキがぁ!」


 もう、どうしよう!?


「ぎゃぁ! スリープ!」

「はれぇぇ……」 


 あ、あはは。

 みっともない叫び声とともに無意識に出た『スリープ』で、全員、眠っちゃったみたいで、地面に倒れ込んでしまった。最初から、こうすればよかったか。一瞬、気が抜けたけど、剣が激しくぶつかり合う金属音が聞こえてきて、我に返る。


「グッ!?」

「アンディッ!」


 あ、マズイ。前はアンディさんたち、二人しかいないんだった!

 二人に襲い掛かる奴ら以外にも、御者のおじさんに向かってくる奴らもいる。おじさん、意外に戦えてる。スゴイ。でも、何人いるのよ。

 慌てて前方に向かって走りながら「スリープ!」と叫ぶ。


「ふぁぁぁっ……」

「あぁ?……」

「なに……?」


 バタバタと倒れていく男たちに、内心、やった! と喜んだんだけど。


「あ、失敗した……」


 敵だけじゃなく、アンディさんたちまで眠っちゃったよ。


「ど、どうしよう……」


 道に寝こけている姿に、呆然としてしまった。

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おばちゃん聖女コミックス

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おばちゃん聖女

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