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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第27章 おばちゃん、行商人の手伝いをする

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第344話

 出発の朝、大きな馬車には続々と荷物が詰め込まれていく。実際には、馬車の半分くらいは値段の安い物が多く載せられている。ちょっとお値段がはるものは、ヤコフが斜め掛けしている革製のアイテムバッグ(ノドルドン商会印がついている)に入っているらしい。

 その様子をヤコフのそばで見ている私。キビキビ動く商会の人を感心しながら見ているんだけど……背中に感じる視線が痛い。

 チクチクと感じるのは、少し離れたところに立っている二人の少女の視線。なぜか二人並んで、私を睨んでいるのだ。

 一人は、ダークブラウンの髪にシンプルなえんじ色のひざ丈のワンピースに淡いクリーム色のエプロンを付けている。店のお手伝いに来ている感じだろうか。

 そして、もう一人は……見るからにいいところのお嬢様だな。金髪碧眼に、足首が隠れる程度の長さの淡いピンクのドレスを着ている。

 外見は、二人とも人族のようだ。並んで立ってはいるが、その距離感からも、二人はそんなに仲がいいようには見えない。


「ねぇ。ヤコフくん。彼女たちは何者」


 出発の準備の為に、馬の世話をしているヤコフにコソコソと声をかける。


「あ、えっと……幼馴染と……婚約者()()?」


 なぜ、『候補』に疑問形?

 一応、ヤコフは十四歳ということで、辛うじて成人前らしい。貴族だったら、小さいころから婚約者がいても普通かもしれないけれど、彼は一応、商人なわけで……そういえば、ヤコフの母親であるライラさんはへリウスとはまたいとこだし、もしかして、それ絡みで、お相手はお貴族様なの……か?

 それにしたって、『候補』とは。まだ決めかねているのだろうか。


「ヤコフ様……ご紹介いただけませんの?」


 先に声をかけてきたのは、お嬢様の方。こっちが『候補』なんだろうなぁ、と勝手に想像していたら、静々と前に進み出て、上から下になめるように見てくる。その冷ややかな視線を私に向けるな、と言いたい。


「え、あ、うーん」


 悩むなよ。少年。

 仕方がないから、ペコリと頭を下げて挨拶をする。


「どうも。ミーシャと申します。失礼ですが、お二人は……」

「まぁっ! 本当に失礼ね。勝手に名乗るなんて……それも、家名もないところを見ると、庶民でしょうに……ヤコフ様のそばによるなんて」


 ……えー。

 こっちが言い終わる前に発言するとか……超めんどくさいお嬢様ですか。

 そして本人も名乗りもしないし。庶民言うけど、ヤコフだって庶民じゃん(爵位持ちじゃないのは確認済みだ)。


 げんなりした顔で、そのお嬢様に目を向けてから、ヤコフに目を向ける。あ、ヤコフも、嫌そうな顔してる。いや、顔だけでなく、あんたが何か言いなさいよ。

 思わず、脇腹を押して、促すけどヤコフの顔が余計に歪む。何、言い返せないような相手なのかよ。


「ねぇ、ヤコフ様……」

「ヤコフ、準備は出来たか」


 おっし! ナイスタイミング! 

 彼女たちの背後から颯爽と現れて、私たちの方へと歩いてきたイザーク兄様。格好は冒険者だけど、さすがイケメン。オーラが違うね。


「あ、イザーク様、はいっ、えと、荷物はもう載せているので、いつでも出られますっ」

「ああ、そうか。ミーシャ、おいで」


 あー。目が笑ってないよ。ヤコフと並んで立ってたのがいけなかったのか。うん、一応、ご機嫌をとっておこうか。私は素直に兄様の方へと歩いていくと。


「あ、あの、し、失礼ですが」


 ……お嬢様の目が、イザーク兄様をロックオンしていたよ。

 あんた、ヤコフの婚約者候補じゃないんかい。


***


 すみません。

 あまり本調子ではないので、更新が止まっております。

 できるだけ頑張りますので、気長にお付き合いいただけると、ありがたいです。

 よろしくお願いいたします。

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