表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第26章 おばちゃん、エルフの常識に困惑する

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

371/420

第329話

 土の精霊王様からの言葉を聞いてから、再び部屋に来たメイドのエルフたちを意識して観察してみた。

 すでに普通には見えないようにしてもらってはいるものの、部屋中に漂っている精霊たち。だけど、メイドたちには認識している気配が微塵もない。そもそもが無表情すぎて、感情が伝わってこなかっただけかもしれない。

 一方で、イザーク兄様と情報収集に外に出かけようとした時、カウンターの中にいる執事っぽい人からの視線を背中に痛いほど感じた。


 ――ううっ、やだやだやだ。


 寒くもないのに、思わず、腕を摩ってしまった。



 貴族街の中の方は治安は良さそうではあったけれど、たぶん、私たちが必要としている情報は、そういう所にはなさそうなのは明白。

 空は、少し茜色になってきている。急いだほうがよさそうだ。

 何にしても、まずは色んな情報が集まりそうな冒険者ギルドを覗きに行くことにした。


 冒険者ギルドは、港と貴族街のほぼ真ん中くらいにあった。

 かなり大きな建物で、その前の道路にはいくつもの出店みたいのが並んでいる。店先もそうだけれど、ギルドの出入り口周辺には、冒険者らしき姿が、あちこちで見受けられる。

 港町だからなのかな、と感心しながらドアを開けて中に入ると、一瞬、視線が私たちに集まる。しかし、すぐに逸らされた。そんな中、逸らさないのは……うん、女性の冒険者たちだな。何やら、コソコソ話しながら、イザーク兄様に釘付けになっている模様。

 ……まぁ、結構なイケメンだから、わかるけどね。


「まずは、この国の地図と、魔物関係の情報を調べたいね」


 私はイザーク兄様の方も見ずに、そう言うと、空いているカウンターを探す。やっぱり、若い女の子のところは列が出来てる。空いていたのは、ちょっと、怖そうな感じの白髪のおじいさんのカウンター。


「すみません」

「……なんじゃい」


 無愛想な返事だけど、一応、こっちに目を向けるくらいの気はある模様。


「今日、この大陸に来たばかりなの。地図とか魔物の情報とか、知りたいんだけど」

「あ? どっちも、上の売店の向かい側の部屋に貼りだしている」

「ありがと……兄様、行くよ」


 おじいさんはあっちに行けと言わんばかりに、階段がある方を指さした。

 言われた通りに階段をあがってみると、駅の売店みたいな小さな店があった。数人の十代くらいの若手冒険者たちが、物色中のようだ。

 売店には雑多なものが商品として並べられているようだが、これといって珍しい物はなさそう。大陸が違えど、冒険者に必要なものは変わらないみたいだ。


「ミーシャ、こっちだ」


 イザーク兄様に呼ばれて振り向くと、ドアのない小部屋みたいなのがあったので、中へと入っていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】
2022年4月8日
モンスターコミックスfより発売


おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

【書籍化】
ツギクルブックスより発売中

おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=791464659&s
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ