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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第25章 おばちゃん、モフモフに癒される

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第324話

 もともとコークシスから押し付けられるように嫁いできた第三夫人、エレノア様。

 今回、サンドラ様が倒れたのが、エレノア様とのお茶会をした後のことだったそうだ。そのこともあって、サンドラ様への毒殺の可能性からも、エレノア様は自室での軟禁状態だったらしい。


 元々エレノア様の周囲には、コークシスから連れてきていた者たちだけ。これまではウルトガの王宮にいる人族といえば、コークシスの者だけだった。それが、後に番として嫁いできたサンドラ様が現れたことによって、少しだけ雰囲気が変わったのだとか。

 獣人にとって番が一番、だから第三夫人のエレノア様よりも、後から来たからといっても、優先されるのは当然、番であるサンドラ様。その上、サンドラ様が平民出身ということが、コークシス出身者(一応、みんな貴族の娘)たちには、気に入らなかったらしい(獣人メイド談)。

 ちなみに、獣人の貴族たち中ではどうかと言われると、多少の軋轢はあっても、国王の番という立場は揺るがないのだとか。すでに、後継として王太子が存在しているということもあってか、人族であろうとも若い番の存在は、さほど問題視はされないのだとか。


「サンドラ様と第三夫人エレノア様は、年が離れていたこともあってか、大変仲良くされておりました。特に、エレノア様は、まるで娘のようにと可愛がられておりました」


 獣人のメイドの一人がそう語ったそうな。

 今回のお茶会の際に出されたのが、なんでもコークシスから取り寄せた、有名なお茶と、それに合わせて作られたケーキらしい。

 ただ、その準備には獣人メイドは係わることが出来なかったらしく、どういったものだったのかまでは分からなかったらしい。それはサンドラ様が目覚めてから確認するしかない。


 今回、エレノア様自身には解呪による反動がなかったことからも、彼女は係わってないってことなんだろう。まだ意識は戻らないようだけれど、古木化はしていないらしいし。

 しかし、身近に仕えていた者たちが目の前で古木化したのを見てしまったら、お嬢様育ちで普通の神経だったら耐えられないと思う。


「……第三夫人の管理不行き届きだ……北部にある離宮に幽閉が妥当だろう」


 王太子の苦々しい声に、まぁ、そうなってしまうのも、仕方がないのか、とも思う。上に立つ者が、責任を取らなければならない、というのは、どこの世界でも当たり前ではあることだろう。エレノア様本人が係わっていようがいまいが。

 しかし、ふと、疑問に思う。

 メイド風情があんな規模の呪いなんかできるのだろうか、と。

 絶対、裏に誰かいるって、私でも想像できるし。どこかの誰かに、古木以上のことが起こってるに違いない。


「他に異変とかはなかったんですか……あの解呪で、数人のメイドが古木化した程度で済まないような気がするんですけど」

「現時点では、あれら以外の報告はあがってきてはおらぬが」

「そうですか」


 考えすぎ、だろうか? と思っていたところ、青い鳥が二羽、いきなり現れた。一羽はイザーク兄様。もう一羽は……灰色っぽい年配の狼の獣人の元へ。


「宰相、どうした」


 王太子が問いかける。なんと、灰色さんは宰相さんであったのか。


「……コークシスの外交担当者からです」

「なんだ」

「コークシス王の第三夫人の離宮にて、巨大な爆発が起こったそうです」

「!?」

「第三夫人の安否は不明だとか」


 えー?

 タイミング的には、真っ黒確定ぽいけれど、なぜ、コークシスの、それも第三夫人?! あれ、第三夫人って、どっかで聞き覚えがあるんだけど……なんだっけ。


「イザーク兄様の方は?」

「こっちは、オズワルドから……オムダルにあるハロイ教の教団でも、爆発騒ぎで王都が混乱しているらしい」


 ほほー。

 アルム様から気を付けるように言われてたハロイ教が、まさか、こんなところで話題になるとは。タイミング合い過ぎて、もう、疑うしかないよね、と思うのは、私だけだろうか。



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