表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第4章 おばちゃん、街道を旅する(1)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/420

第31話

 いや、待て。

 城の連中は私の容姿が若返ってるなんて知るわけない。だから、別の女の子かもしれないじゃない。

 あ、でも、薬師のおばあさんが、何か感づいてギルドに話を持ってったりとか?

 そもそも、城関係なく、薬師のおばあさんが私を探してる? でも、ギルドに人探しをしてもらえるほど、あのおばあさん、お金があるとは思えない。

 どこかで自分がヘマしてたりするのかも? と考えてしまって、グルグルと嫌なことばかりが頭に浮かぶ。


 連れ戻されるとか。

 連れ戻されるとか。

 連れ戻されるとか。


 気が付けば人だかりもばらけていて、いつの間にかに黒ずくめの人はいなくなっていた。街の中で探し始めてたりするんだろうか。

 慌ててナビゲーションを呼び出して、地図情報を広げてみる。


「うわ」


 さすが領都。人を現わす黒い点が多すぎて、誰が誰なんてわかりゃしない。

 救いなのは敵と思われる赤い点がないこと。あの黒ずくめの人も敵ではないんだろう。そもそも、私を探しているとしても、攻撃の意思がないから赤くならないだけなのだろうか。


 とりあえず、探している相手が私であってもなくても、変に勘ぐられるのは嫌だ。あの様子だと、明日の朝の集合時間とかも探しに来そうな気がする。

 ひとまず、明日、乗合馬車に乗るのはやめておこう。

 そのことを伝えるために、乗合馬車の御者のおじさんを探していると、おじさんが建物から出てきた。もしかして、あの男とは話をしてないんだろうか。そう思うと、少し気が楽だ。

 私は隠蔽スキルをはずし、おじさんの方へと駆け寄る。


「あの」

「おや、宿は大丈夫だったかい」

「はい、ちゃんと部屋とれました」


 気にしてもらえてたと思うと、ちょっと嬉しい。

 私はしばらく、この街にいようと思っていることを伝えた。冒険者ギルドに登録したので、せっかくだから、ここで仕事をしてみようかと思うと。


「そうかい、そうかい」

「それで、このオムダル王国行きの木札、ここで乗り継がなかったら使えなくなるんですか?」

「いや、木札は到着した場所で回収するものだからね。次の馬車でも見せてくれれば乗ることができるよ」

「よかったぁ……」


 これで無駄なお金にならなくて済む。アルム様からのお小遣いだとはいえ、そうポンポン使うのは忍びないのだ。

 次のオムダル王国行きは一週間後。その途中までのであれば、三日後に来るらしい。

 私はおじさんに礼を言うと、宿屋へと戻ることにした。

 今度、あの男の人を見かけたら、敵用のマーカー、付けなくちゃ、と心に強く思いながら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】
2022年4月8日
モンスターコミックスfより発売


おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

【書籍化】
ツギクルブックスより発売中

おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=791464659&s
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ