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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第21章 おばちゃん、港町に向かう

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第247話

 現れたのはミニチュアサイズの土の精霊王様。


「わ、びっくりした」

『あら、ごめんなさい。私が呼ばれたかと思って』

『おいおい、今日は私の日だぞ』


 さっきまで小さな光の玉だった風の精霊王様までミニチュアサイズで登場。一般の人たちには見えないみたいだからいいけれど、いきなりはあんまり心臓にはよくない。


「うん、呼んではないけど、思ったかな」

『そうね。エシトニアのことだけど、あの国には土着の精霊信仰があるの。特に私のような土の精霊のね。精霊王として何かしたわけではないんだけれど……土の精霊たちが好む土壌が多いし、それを守っている者たちが多いのよ』

『この世界では、精霊魔法はあるが、それを使えるのは一握りの者だけ。しかし、それを信仰という形にしているのが、エシトニアだな』

『そうね。あとは、鍛冶職人の多いドワーフの国は火の精霊王を祀っている者が多いわ』


 なるほど。なんとなく想像できる。宗教とまではいかなくても信仰しているというのは、あちらの世界で言う所の、八百万の神々みたいなものなのかもしれない。残念ながら、あちらでは目に見えるような効果はないけれど。


「へぇ……じゃぁ、アリス母様やニコラス兄様は、精霊魔法を使える、その一握りということになるのね」

「うん? 俺がなんだって?」


 突然、しゃべりだした私にいつものことと思ってたニコラス兄様も、自分の名前が出たので、問いかけてきた。


「ごめんなさい。今、風と土の精霊王様と話してて」

「おお、そうなのか……いつも、ミーシャがお世話になってます~」


 ニコラス兄様にも見えてないはずなんだけれど、その場にいるものと思って、少しおちゃらけた感じで挨拶をする。そんなニコラス兄様を見て、クスクス笑う精霊王様たち。ああ、兄様にも見せてあげたい。


「で、何?」

「ああ、あのね、精霊魔法の使い手は一握りだっていう話」

「なるほど。確かに、俺も母上くらいしか知らないな」

「え? そうなの?」

「あ、ミーシャも使い手といえば使い手なんじゃない?」


 そう言われて、首を傾げる。だって、私はこんな魔法を使って、という命令はしてない。むしろ、彼らが勝手にやってくれている……。これは使い手とは言うまい。そう話すと、ニコラス兄様は楽しそうに答える。


「そうだね。自主的に精霊たちが動いてるって時点で、凄いよ。まさに、精霊に愛されてるって感じ?」

『ニコラスは分かっているではないか』

『フフフ、風のが気に入る青年ですね』

「あんたたち、何しゃべってるのよ。そろそろ門だから、降りるわよ」


 パメラ姉様の声に、ようやっと砦の入口についたのに気付いた。見上げるような石塀が、ずっと続いている。

 馬から降りて、門をくぐると、石造りの建物がいくつもある大きな街の中に入った。


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おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

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