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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第20章 おばちゃん、旅に出る

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第241話

 イザーク兄様は、そのまま王都に戻ってしまったらしい。

 国王陛下からの『依頼』については、イザーク兄様宛に『王都には行きません』という手紙を伝達の陣で送っておいた。兄様からは『わかった』という返事だけが来た。たぶん、あちらでも、色々と大変なのだろう。


 そして、私の方は、旅立つ準備を始めた。

 領都にある薬局は、長期の休業扱い。一応、おばあちゃんの格好に変化して、孫が産まれたので遠くに住んでいる娘夫婦の所に会いに行く、という理由で、ご近所に挨拶回りをしておいた。それが一番無難な理由になるだろう。

 森の中の家のことは、ボブさん夫婦に任せることにした。といっても、庭やコカトリスの面倒だけだ。転移でしょっちゅう戻って来そうな気がするが、長期で戻れない可能性も否定できない。例えば、私にそんな力があることを知らない、誰かが同行者にいた場合とか。

 行き先は、エドワルドお父様が話していたコークシス王国。行き方としては、帝国の中を突っ切って行く方法と、帝国を経由して、シャトルワース王国の隣国エシトニア王国から船で行く方法の二種類がある。

 精霊王様たちが転移で連れて行こうか、と言ってはくれたが、急ぎの旅でもないし、のんびり移動もありなんじゃないか、と思っている。


「しかし、この時期は海が荒れることが多いらしいよ」


 そう言ったのは、ニコラス兄様。

 船の旅も魅力的ではあるんだけれど、万が一、を考えると、帝国を突っ切って行った方が無難だろうか。


「でも、今の帝国は違う意味で荒れてるからねぇ」


 ニコラス兄様のいう通り、精霊王様のお仕置きタイム中。盗賊なんかも多発しているらしい。そう思うと、安易に帝国の中を行くのは、不安になる。


「じゃぁさぁ、帝国の中を途中まで馬車で行って、船に乗り換えれば?」

「そんなのもあるの?」


 てっきり馬車一択かと思ったら、当たり前だけど、帝国の中にも港町があるのだとか。あれだけ大きな国だったのだ、当然といえば当然か。


「そもそも、帝都はここからだとかなり距離があるわよ。問題になってるのは、その周辺でしょ? その港町もだいたい帝国の中間地点くらいだし。あの辺は比較的、平穏だって聞いてるわよ」


 パメラ姉様が地図を開きながら説明してくれた。

 おお。こうやって見ると、帝国の国土の馬鹿デカさたるや。帝都がはるかむこうにある感じ。むしろ、帝都から見たら、こっちはド田舎くらいのものだったのだろう。

 私としては一人で旅するつもりでいたんだけれど、せっかくだから、とパメラ姉様とニコラス兄様も途中まで一緒に行く、と言い出した。途中までって、どこに行くつもりなのかと思ったら、コークシス王国のダンジョンに潜りに行くつもりらしい。


「いっしょに行ってみる?」


 パメラ姉様はニコニコ笑いながら言ってるけれど、Aランクの冒険者が行くようなダンジョンに、初心者同然の私が行っていいわけがない。精霊王様たちが護ってくれるとはいえ、絶対、姉様たちの足手まといになるに決まってるもの。


「美味しいお茶でも飲みに行きますかね」

『お茶をしに行くにしても、かなりの距離だがな』

「それは言わない」


 火の精霊王様のツッコミに、笑いながら軽く返す。

 荷物はすでにアイテムボックスに一揃え入っていて、いつでも出かけられる状態。

 あとは、エドワルドお父様たちに挨拶をしたら、出発だ。


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【コミカライズ】
2022年4月8日
モンスターコミックスfより発売


おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

【書籍化】
ツギクルブックスより発売中

おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

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