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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第19章 おばちゃん、恋愛はほどほどがいいと思う

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第222話

 直接王子たちの元へ飛べるかと思ったら、宮殿内の一室と思われるドアの前に出てしまったようだ。


「あれ?」

『おそらく、この部屋に結界が張られているのでしょう』


 水の精霊王様の言葉に、なるほど、と思う。自分が結界を張ることはあっても、他の人が張ることがあるのを考えてもいなかった。反省、反省。単に入れないってだけで済んでよかったわ。いきなり飛んで激突、なんてことになったらいただけない。


「王子様たちが張ってるのかしら」

『いや、帝国の者たちだろう。イザークや美佐江との接触を絶つためではないか』

「うわ~、姑息~」

『ふん、この程度のもの、我には泡のようなものだ』


 火の精霊王様、相変わらず、怒りのボルテージ高め。他の精霊王様たちも、お怒りモード。おかげで、私のほうは逆に冷静になってきてる。

 どうするのかと思ったら、火の精霊王様は掌をドアに向けてギュッと握りしめた途端、バチンッと何かが割れる音がした。本当に泡が弾けたみたい。そんな単純なものなの!?


『ほらな』


 ちょっと得意気な火の精霊王様に、他の精霊王様たちは呆れ顔。

『そんなの、我々だって出来たぞ』

『そうよ、そうよ』

『ふん、風のは両手がふさがっていて出来まいよ』

「まぁまぁまぁ。火の精霊王様、ありがとうございます」


 うん、子供みたいだね。それでも私はニコリと笑いながら感謝の言葉を告げてから、ドアをノックする。ドア越しに、誰かが駆け寄る音が聞こえる。


「やっと開いた!」


 勢いよくドアが開かれ、そう叫んだ男性は、レヴィエスタから共に来た近衛騎士の一人だ。そんなに放置されてたのか、と心配になる。


「皆様、ご無事ですか?」

「え!? ミーシャ殿? なぜここに……あ! イザーク殿! どうしたんですか!」


 彼の視線に入ってなかったのか、私が声をかけると驚かれる。確かに、私がここに来るとは想像もしてなかっただろう。

 そして、私の背後にいた風の精霊王様に抱えられたイザーク兄様に気付いたのだろう。近衛騎士が驚きの声をあげた。その声に反応してか、ドアに続々と護衛の方々が現れた。近衛騎士の中でも、副団長を務めるくらいに強い兄様が、抱きかかえられているのだ。部下たちが心配になる気持ちはわかる。しかし、兄様よりも細身の風の精霊王様に抱えられた姿を見られたのは、後々、からかわれるネタになりそう。


「すみません! 兄様のことが気になるのはわかりますが、中に入れていただいても?」

「ああ、すまん。しかし、そちらの方々は……」

「……私の護衛……みたいなものです」


 苦笑いしながらそう答えると、精霊王様たちは満更でもない顔になった。え、護衛でいいの?

 騎士たちは、あまりにも美しい精霊王様たちに、どぎまぎしてるようだけれど、私の言葉にしたがってすぐに中に入れてくれた。

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おばちゃん聖女コミックス

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