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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第19章 おばちゃん、恋愛はほどほどがいいと思う

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第207話

 王都から戻って三か月。なんか私が知らないうちに、あちらではゴタゴタと色んな事があったらしい。

 一番の驚きは、カリス公爵が夫婦で領地に戻る途中、事故で亡くなったということだ。

 マルゴ様はすでに第二王子の元におられたし、あの両親に愛情があったかといえば、ないだろうなぁ、と思う。多少のショックはあったとしても、それほどでもないだろう、と予想する。

 むしろ、溺愛されてたエミリアの方がヤバイと思ってたら、案の定、精神が不安定になってしまったそうだ。生意気な子ではあったけれど、そんなに弱い子だとは思わなかった。気の毒とは思うものの、マルゴ様贔屓の私には、そこまで彼女に手を差し伸べようとは思えなかった。


 そして、次に驚いたのは、第三王子と子爵令嬢のことだ。

 第三王子は王宮に戻されたのは聞いていたが、まさか離宮の奥に軟禁状態になってるとは想いもしなかった。魅了の魔法には禁断症状みたいなのが出るのだろうか、と思ったので、魔法の師匠のドーン氏に聞いてみたが、そんなことはないらしい。

 一方の子爵令嬢は、王族に魅了の魔法をかけたことにより死罪となったそうだ。無意識にしろ、意識的にしろ、王族を自分の思い通りにしようとしたのだ。仕方がない、のかもしれないが、まだ成人前の令嬢に、と思うと胸が痛い。そして彼女を止めるどころか、増幅の腕輪を送った両親も、当然、処刑されたそうだ。

 この情報を知らせないために、第三王子は軟禁状態になってるのかなぁ、と、勝手に憶測する。


 偽聖女こと、アイリス・ドッズ侯爵令嬢。彼女もいつの間にか帰国していた。第三王子との縁が結べそうにもない、と判断されたんだろうけれど。彼女も子爵令嬢同様、まだ若い。大人たちに振り回されているのだけはわかるけど、私に出来ることなど、何もない。ただ、彼女にも何事もなければいい、と思うだけだ。




 先日、イザーク兄様に頼んで、私のお手製の飴を第三王子に渡してもらうように、お願いした。従者を亡くして、今度は好きな相手に裏切られたのだ。私からしたら、十五歳といえば、まだまだ子供だ。きっと、心に深い傷を負ったに違いない。

 これでも一応、私も薬師のはしくれ。その心の傷が少しでも癒えればいい、という想いをこめて、薬草や蜂蜜をたっぷり使った飴を作ってみた。まぁ、心の傷なんかが飴一つで治るわけはないけれど、リラックス効果を望めそうなのを作ってみた。自分でも、けっこう美味しく出来たと思う。

 味見をしてくれた、リンドベルの家族には大好評だった。アリス母様には、商品化まで提案されてしまった。とりあえず、個人で作るのにも量的に限界があるので、うちの店限定にしようか検討中。


 王都の方は、なんだか鬱々とした話ばかりが続いていたようだけれど、面倒な報告書を出した後の私は、久々にのんびりとした三か月を過ごすことが出来た。

 そして、リンドベル家では、嬉しい話で盛り上がっている。


 なんと、ジーナ姉様が、おめでたなのだ!


 死産(私のことだけど)の後だけに、すぐには難しいかも、と思われていた。実際、普通だったら妊娠しづらいと思うんだけど、アルム様のお陰なのか、日頃の兄様の溺愛のおかげか、無事に二人目が妊娠出来た模様。

 前回のこともあるので、妊娠がわかってすぐ、絶対安静状態になっている。

 一度経験しているにもかかわらず、ヘリオルド兄様のオロオロっぷりは、なかなか見ものである。経験者のアリス母様に『もうちょっと落ち着きなさい!』と注意されてばっかりだ。



 そんな幸せなリンドベル家に、再び、面倒ごとがやってくることになるとは。

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2022年4月8日
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おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

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おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

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