表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第18章 おばちゃん、学園に潜入する

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

227/420

第196話

 学園に潜入して三日が経った。『潜入』とか言うとスパイみたいで、ちょっとワクワクするけれど、実際はいたって普通の学生生活、と言えるだろう。

 授業自体、すでにリンドベル領で学んだことばかりだし、復習みたいな感じなんだろうけれど、私にしてみると退屈ではある。


 案内された女子寮は、学期の途中から来たこともあって、たまたま空いていた個室(普通は二人部屋らしい)に入ることになった。おかげで、リンドベル領の外れにある我が家に転移できたりする。女子寮はしっかり結界はってますから、誰も入れませんしね。

 食事はさすがに、寮内に食堂があるので、そちらでとってますけどね。お貴族様が多いせいか、食事のレベルもそこそこ。悪くはない。

 そう、この学園は、庶民も通えるには通えるけれど、多くは貴族の子女。庶民の場合、ある程度の魔力がある者で、それなりに金銭的に余裕がないと通えないそうだ。ああ、一応、有能な学生には特待生みたいな制度もあるらしい。しかし、残念ながら、私の周辺には、庶民の方々は近寄っては来てくれない。

 なぜならば。


「ア、アウラさん、席をご一緒してもよろしくて?」

「……はい、どうぞ」


 食堂のそれも端っこの方にいる私を、必ず見つけては声をかけてくるレジーナ嬢。初日に私を女子寮まで案内してくれた彼女が、私のそばから離れないせいかと思われる。

 一応、学園内での身分差はない、というのが表向きの話で、実際はしっかり社交界のミニチュア版といったところなのは、社交知らずの私でもわかった。

 レジーナ嬢は侯爵令嬢ということもあるけれど、元々、社交が得意でないのか、取り巻きという名のお友達もあまりいないご様子。まぁ、普通にいい子だから、私は気にしないんだけど。あまりおしゃべりでもない彼女のおかげで、食事の間に色々と考え事をしたり、周囲を見る余裕もあったりする。


 婚約者候補六人のうち、この学園に在学しているのは五人。最年長のブリジット・コンロイ伯爵令嬢(十八歳)は、すでに学園を卒業されていて、彼女だけは確認はできなかったりする。

 そして、偽聖女、アイリス・ドッズ侯爵令嬢(十五歳)は、王都内にある帝国の大使館側のお屋敷から通っているらしい。婚約者になるつもりがあるんだったら、女子寮に入って人間関係作っておいた方がいいんじゃないの? って、私は思うんですけどね。私個人としては、もっとも会いたくもないんだけど。

 そして残る四人(レジーナ嬢を含む)は、女子寮にお住まいになっている。

 エリナ・ポワーズ伯爵令嬢(十六歳)とキャサリン・コーネリウス伯爵令嬢(十五歳)、そして、ルーシェ・プレスコット子爵令嬢(十五歳)。この三人は学年は一緒だけれど、伯爵令嬢二人は偽聖女と同じクラス、ルーシェ・プレスコット子爵令嬢は第三王子と同じクラスだとか(ちなみに、エミリア・カリス公爵令嬢は、また別のクラスらしい)。


「ふ~む」


 食後の紅茶を飲みながら、周囲を見ている私を、不信がりもせずにニコニコ見ているレジーナ嬢。なんか、彼女が一番、落ち着いてて私は好きだわぁ、などと呑気に見ていると、何やら、食堂の中央付近でもめ事発生の模様。




 ……うわぁ、もしかして、修羅場?!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】
2022年4月8日
モンスターコミックスfより発売


おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

【書籍化】
ツギクルブックスより発売中

おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=791464659&s
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ