表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第17章 おばちゃん、婚約者候補を選ぶはめになる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

208/420

第177話

 アリス母様のお言葉に従い、私が王都から掻っ攫って来ましたよ。イザークお兄様。

 仕事中っぽかったけど、『アリス母様がお呼びです』とお手紙を出したら、すぐに返事が来て、王都の屋敷に迎えに行きましたよ。よく抜け出してこれたな、って思ったら、騎士団長のエッケルス様にアリス母様の名前を出したら、一も二もなく、行ってこいと言われたそうな。

 ……アリス母様、どんだけ恐れられてるのよ。


 領都に戻ると、家族総出で出迎えられるし、サロンへと連れられて行く様は、完全に罪人扱い。いつもより小さく見える兄様の背中を見ると、ちょっとばかり、気の毒にもなる。

 サロンでは、イザーク兄様だけが立たされて、皆からの視線が集中する。


「申し訳ございませんっ」


 頭を思い切り下げている姿は、いつものお兄様らしくなくて、つい、ため息をついたら、お兄様の肩がピクリと震えた。


「イザーク、なんで呼ばれているのか、わかっているようね」

「……ミーシャへの手紙、でしょうか」

「そうね……まずは、あなたの釈明を聞きましょうか」


 アリスお母様、怖いですよ。ビョービョー冷たい風が吹いてそうな感じです。


「……はっ」


 返事をしたものの、すぐに言葉が出ないイザーク兄様。何を悩んでいるのだろうか。


「お前の婚姻については、お前の自由にしろ。それは、以前から言ってはいたな」


 先に話し始めたのは、ヘリオルド兄様。ここは現役の辺境伯であるヘリオルド兄様が、話を進める様だ。


「近衛騎士の仕事に集中したい、というお前の意思もあったからこそ、こちらから婚約者を探すようなこともしなかった。そうだな」

「はい。感謝しております」

「しかし、自由にしてもいいとはいえ、状況を考えるべきではないか」

「……」


 イザーク兄様は両手の拳を強く握りしめながらも、ヘリオルド兄様の言葉に、返す言葉もない様子。


「イザーク」


 今度はエドワルドお父様の重い声が、イザーク兄様に答えを促す。

 そして、イザーク兄様は目を閉じながら、声を絞り出すように呟いた。


「……ミーシャを第三王子、リシャール様の婚約者に、という話が王城内で噂されるようになりました」

「そんなのは、前からあった話であろう」

「半分以上が、冗談のような話であったではないか。リシャール様、ご本人からも、否定されてたはずだが」


 そりゃぁね。大事にしてた側近の一人が、あんなことになっちゃった原因の私となんて、普通に考えても会いたくもないんじゃないかね? 特に、あのくらいの年代だったら。


「……そのリシャール様が、ヴィクトル様にご相談されたのです。本気でミーシャを婚約者に出来ないか、と」


 まさか、そんな話になるとは、私も思いもしなかったから、思わず大口をあけてビックリしてしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】
2022年4月8日
モンスターコミックスfより発売


おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

【書籍化】
ツギクルブックスより発売中

おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=791464659&s
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ