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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第16章 おばちゃん、久しぶりに恋心を意識する

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第176話

 曰く。

 偽聖女様(めんどくさいから、これで統一)、王都の学園で相変わらず第三王子に絡みまくっているとか。まぁ、そこはどっちも頑張れ、としか言えないけど。

 平民出身とはいえ、帝国の侯爵令嬢ということであれば、外交的にも悪くない選択肢ではあるけれど……偽聖女様、かなり性格悪いらしい。元平民なのに、平民へのあたりが強いとか。かといって、貴族としてのマナーができているかといえば、それも微妙だそうです。

 それはそれとして、その余波で、第三王子の婚約者候補が軒並み、辞退されてしまっているらしい。そうなったら、第三王子側の選択肢がどんどん減っていくわけで、『残り物に福がある』はずが、ハズレしか残らなかった、なんていうオチがつきそうだ。


 曰く。

 その辞退した婚約者候補の中に、カリス公爵の娘、エミリア様も含まれているそうだ。

 元々、姉が第二王子の婚約者になってるんだから、妹は別にいいじゃん、ってなるはずだけど、けっこうしぶとく候補として残ってたらしい。

 それだけ権力があるってことなんだろうけれど、カリス公爵、偽聖女様の方に力をいれてるみたい。エミリア様も、今では、というか今でも、というか、第三王子よりもイザーク兄様押しなんだとか。そういえば、この前の王城でも、なんか凄かったよなぁ。私も遠い目になるよ。

 で、少し前にカリス公爵家から、イザーク兄様への打診が来ていたらしいんだけど……兄様の方が近衛騎士として全うしたいので、とか、カッコいいこと言って断っていたらしい。一応、第二王子からの援護射撃があって、公爵相手になんとかなっているらしいけど。


 曰く。

 それにつられるように、その辞退した令嬢たちの釣書やら姿絵やらが、山ほど届いているらしい。その山ほどって、どんだけ候補がいたんだよって言いたくもなるんだけどね。

 なんで、こんなに来るか、というと、やっぱり辺境伯としてのリンドベル家の肩書しかり、第二王子のお気に入りしかり、騎士としての実力しかり。

 そして……私、聖女の庇護者というのも大いに惹かれる条件だと言うのだ。

 人気者は辛いねぇ……イザーク兄様。

 大多数は政治的な思惑なんだろうけれど、中には本当に兄様のことを好きなご令嬢だっているだろうに。


「だからって、安易に私と婚約とか……ないないない」

「あら、ミーシャ、でも貴族だったら、貴女ぐらいの年齢ならすでに婚約してらっしゃる方はいるのよ?」

「あー、そうかもしれませんけど、私、貴族じゃありませんし」

「『聖女』様でしたら、王族と同じくらいと思ってもよろしいのでは?」

「何言ってるんですか!? ヘリオルド兄様!」


 アルム様の言葉があったから、ちょびっと、そう、ほんのちょびっと、イザーク兄様のこと、思わないでもなかったけど!

 そ、そりゃぁ、イケメンだし、優しいし、強いし……う、うん?


「まぁ、一度、本人を呼び出して確認したほうが早いかもしれませんわね」

「呼び出す?」


 ニッコリ笑ったアリス母様。


「よろしくね、ミーシャ」


 あ、はい。有無を言わせぬその笑みに、反論は聞かない、と無言で押し切られたのであった。


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おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

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おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

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